2021 Fiscal Year Research-status Report
放課後等デイサービスの児童生徒に対する睡眠と疲労の客観的健康評価
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20K02894
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
大川 尚子 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (70369685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉恒 弘彦 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 客員教授 (50195533)
福田 早苗 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (50423885)
水野 敬 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (60464616)
藤岡 弘季 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (70382083)
治部 哲也 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (90352989)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放課後等デイサービス / 睡眠覚醒リズム解析 / 自律神経機能評価 / コロナ流行下 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「学校における人間関係」に課題を抱えている児童生徒が多く利用している放課後等デイサービスの児童生徒の心身の健康状態を把握し、睡眠リズムの乱れに関連した心身の客観的バイオマーカーを明らかにし、その結果より体調不良や不登校に陥るリスクが高いと判断された児童生徒には予防に向けての支援を実施することである。 放課後等デイサービスの児童生徒を対象として、抑うつ、不安、疲労、睡眠状態などの自覚症状調査とともに、睡眠・覚醒リズム(覚醒時における活動量、居眠り回数、睡眠効率、睡眠時中途覚醒数、睡眠時間など)や、指先脈波計測による自律神経機能評価などの客観的な健康関連指標を解析し、放課後等デイサービスの児童生徒の特徴を明らかにすることを目的に研究を進めた。 2021年度もコロナ禍の中ではあったが、予定通り2020年12月に、A県の2つの放課後等デイサービスの児童生徒約40名を対象に調査を実施することができた。 放課後等デイサービスの小学生は、中・高校生と比較すると、自覚的な疲労調査や睡眠調査の結果、身体疲労、精神疲労、総合疲労、睡眠得点ともに有意に低く、男女別の分析では差がみられなかった。自律神経機能評価では、小学生と中・高校生の比較、男女別の比較では差がみられなかった。睡眠・覚醒リズム解析では、小学生と中・高校生を比較すると、睡眠時間、睡眠効率数が有意に高値であった。男女別の分析では差がみられなかった。 この結果を活用して、放課後等デイサービスの児童生徒を対象に睡眠を中心とした健康教育を、ハイリスク児童生徒には個別指導を実施し、予後調査も行うことにより支援システムの有効性を検証したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍ではあったが、どうにか2年目の予定を終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1・2年目の結果を活用して、放課後等デイサービスの児童生徒を対象に睡眠を中心とした健康教育を、ハイリスク児童生徒には個別指導を実施し、予後調査も行うことにより支援システムの有効性を検証したい。コロナ禍ではあるが、3年目にはWeb会議システムを活用してオンラインで全体指導や個別指導ができるように検討している。 本研究は同一集団の3年間の前向き調査を行うことにより、不登校や体調不良に結びつく自覚症状や睡眠・自律神経機能などの客観的な指標の詳細な特徴を明 らかにすることができると考えており、1・2年目の解析結果を踏まえ、最終年度の研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
放課後等デイサービスの児童生徒を対象として、抑うつ、不安、疲労、睡眠状態などの自覚症状調査とともに、睡眠・覚醒リズム(覚醒時における活動量、居眠り回数、睡眠効率、睡眠時中途覚醒数、睡眠時間など)や、指先脈波計測による自律神経機能評価などの客観的な健康関連指標を解析し、放課後等デイサービスの児童生徒の特徴を明らかにすることを目的に研究を進めている。 2020年度はコロナ禍のため、研究開始に時間がかかったが、2020年12月~2021年3月にかけて、A県の2つの放課後等デイサービスの児童生徒約60名を対象に調査を実施することができた。ただ、調査機器(睡眠計)が40台しかないため冬休みと春休みの2回に分けて実施した。できれば、2つの施設の調査を同時期に実施したいと考え、来年度の経費を前倒しして、睡眠計を追加購入した。
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Research Products
(1 results)