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2022 Fiscal Year Research-status Report

児童生徒の認知に基づく数学的な見方・考え方の育成に関する研究

Research Project

Project/Area Number 20K02895
Research InstitutionBukkyo University

Principal Investigator

二澤 善紀  佛教大学, 教育学部, 教授 (60633815)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords関数 / 変化の割合 / 平均化の考え / 関数の学習モデル / 途上概念 / 認知科学
Outline of Annual Research Achievements

[理論面]認知科学の先行研究(今井, 2022;Weistin et al, 2019=山田他, 2022)から,人は生活経験や学習経験からスキーマという知識の枠組みを作っており,このスキーマを利用して学習を進めていくことが示されている。このことから「関数の学習モデル」は学習モデルとして妥当なものであることを再確認することができている。特に,途上概念の形成や自明化は,スキーマの均衡化で説明できる。したがって,途上概念の形成や自明化は児童生徒の学習が深い学びになるために必要不可欠なものとなる。
フィンランドの教科書分析に関し,小中学校のものを分析中である。小学校段階で関数の考えに特化した内容の扱いがないことがわかった。ただし,事象を数学化するような問や課題が随所にあり,関数の考えの素地作りにつながっていることがわかる。関数は中学校第2,3学年で学習する。学習内容は,日本の小学校と中学校で学習する内容とほぼ同様である。ただし,文章で関数規則を示し考察する,その後関数式に表すなど関数概念の理解に配慮した内容になっていることがわかる。このような学習方法は,関数での2変量の関係や関数式の意味理解,さらに変化を捉える力の育成につながると考えられる。
中学生を対象とした「関数の学習モデル」に基づく変化の割合に関する教材と学習指導に関し,研究協力者の中学校教員,小学校教員,大学教員で協議し,すでに形成されている途上概念を生かしながら,スモールステップで学習を進めることができるように,教育実践案を作成することができている。
[実践面]昨年度に実施した予備教育実践の事後調査について、分析を行った。その結果,事後調査では想定したほどの効果を得ることができなかった。そのため,学習内容を見直し,中学校の研究協力者の協力を得て予備教育実践を再度行っている。詳細な分析は次年度に行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

昨年度よりオンライン会議システムを活用したオンライン研究会を始めたことから,小学校・中学校・高等学校・大学の研究協力者との情報共有や意見交換は定期的に行うことができるようになっている。一方で,学校現場における教育実践が容易でなく,また国内外の視察も年度前半が困難であったことが主な要因である。

Strategy for Future Research Activity

理論面について,認知科学の知見の分析をさらに深め,また教育方法(学習指導)に関してはフィンランドの中学校やアメリカ合衆国の小中学校の教科書分析を行う。また,ハワイ大学の研究者との研究協議を予定している。これらの分析と協議を生かして,関数の学習モデルに基づき変化の割合に関する教材と学習指導について,小学校・中学校・高等学校・大学の研究協力者との協議を通して再検討を行う予定である。
実践面について,今年度末に実施できた予備教育実践(2回目)の結果を分析し,その効果について検証する。特に,教育方法(学習指導)について,小学校・中学校・高等学校・大学の研究協力者との協議,またハワイ大学のYagi氏との研究協議及び認知科学の知見を生かしながら,生徒の認識に見合った教育方法を検討していく予定である。
成果発表について,数学教育学会等の国内学会,ドイツ数学教育学会(GDM)等の国外学会に参加し,国内外の研究者と情報交換を行い,研究の推進を図る。

Causes of Carryover

ドイツの学会参加と小中学校の視察及びフィンランドのユバスキュラ大学の研究者との研究協議,及び小学校と中学校の視察と情報共有を予定していた。このうち,フィンランドのユバスキュラ大学の研究者との研究協議,及び小学校と中学校の視察と情報共有は実現したが,ドイツの学会参加と小中学校の視察はコロナ禍の影響から断念した。このことが,次年度使用額が生じた主な要因である。次年度は,ハワイ大学での研究協議,ハワイ大学附属小学校,中学校,高等学校への視察と教科書購入,及びドイツの学会参加と小中学校の視察等に充当したいと考えている。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 事象の変化を捉える力の育成に関する基礎的研究2022

    • Author(s)
      二澤善紀
    • Journal Title

      佛教大学教育学部学会紀要

      Volume: 第22号 Pages: 55, 65

    • Open Access
  • [Presentation] 事象の変化を捉える力に関する基礎研究2023

    • Author(s)
      二澤善紀, 河合真美
    • Organizer
      2023年度数学教育学会春季年会
  • [Presentation] 算数・数学における関数概念の認識発達2022

    • Author(s)
      二澤善紀
    • Organizer
      2022年度数学教育学会秋季例会
    • Invited
  • [Presentation] フィンランドにおける数学教育の現状2022

    • Author(s)
      二澤善紀
    • Organizer
      日本教育実践学会 第25回研究大会
  • [Book] 中等数学科教育の理論と実践2022

    • Author(s)
      二澤善紀(編著)
    • Total Pages
      288
    • Publisher
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623094080

URL: 

Published: 2023-12-25  

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