2020 Fiscal Year Research-status Report
持続可能な学校動物飼育プログラムの開発と評価―ホスティング方式の構築と効果検証
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20K02896
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Research Institution | Otemae University |
Principal Investigator |
中島 由佳 大手前大学, 現代社会学部, 教授 (80712835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 暁子 静岡文化芸術大学, デザイン学部, 准教授 (80711754)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ホスティング型飼育 / 学校動物 / 児童への心理的効果 / 動物愛護 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,「持続可能な学校動物飼育」の一つの仕組みとして「学校動物ホスティング(貸与)方式」を立ち上げ,①ホスティング型の飼育により得られる児童への心理的効果と従来型の学年飼育等での心理的効果の比較,②動物飼育を組み込んだ教科領域,単元における教育プログラムの開発と評価,の2点を検証することを目的としている。 昨年4月の新型コロナウィルスの蔓延による緊急事態宣言が発出に伴い,小学校は休業を余儀なくされ,再開後も様々な工夫や制限を余儀なくされていることを受け,本研究では緊急事態宣言に伴う休業中および再開後の動物飼育に関する状況について各地の小学校約260校にアンケート調査を送付して回答を得た。 またホスティング方式の飼育推進に関しては,2020年度中に2回の推進会議を開催した。コロナ禍下の状況にあることから,zoomによる非対面での会議とし,ホスティング方式飼育を計画している各地域の進捗について情報共有を行った。また,データ採取の際の条件が各地域により差異が出ないよう,ホスティング飼育のあり方・実施方法,実施学年や動物種の統一,生活科の中での活用法等について協議を行い,合意を図った。 またホスティング飼育推進予定の各地域において,自治体の教育委員会に本研究の趣旨・目的等を説明し協力を求めた。いずれの地域においても,教育委員会の協力の下,ホスティングを実施する小学校の選定作業を2020年度中に開始。小学校の選定とともに動物の慣らし飼育,検診・講話を行う校区もしくは校区近隣の獣医師の選定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今般のコロナ禍下の状況において,各地域の教育委員会,小学校,研究協力者である各地域の獣医師との連絡・打ち合わせを行いにくい状況にあった。また,教育委員会・小学校においても,今後の授業運営や地域との協力に関する見通しが立てにくく,ホスティングの実施に関する具体的な計画立案が定めにくい状況にあった。このため,当初の計画では2020年度3学期に着手する予定であった飼育開始の準備(動物等の購入,幼獣の慣らしなど)が2020年度末までに実行できなかった。いくつかの地域に関しては,翌年度の早期に飼育開始の準備に着手できる見通しが立てられているものの,まだ2学期以降に飼育開始の準備がずれ込む可能性のある地域も存在する。
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Strategy for Future Research Activity |
各地域の小学校・教育委員会の異動が終了するのを待ち,教育委員会とともにホスティング飼育推進校の選定を引き続き行う。1学期中に実施をする小学校が決定した場合には,動物の導入日を小学校と協議して決定し,それに伴い,自動に対する第1回目のアンケートの実施,幼獣やケージなどの用具・エサ等の購入と慣らし飼育,導入にあたっての獣医師による飼育に関する授業を行うことを予定している。また,2学期中に児童への第2回目の調査,3学期中に児童への第3回調査を行う予定。飼育を担当する教員に対しても,動物の導入1ヵ月後より毎月,動物飼育を通しての子どもたちの変化について質問票にての報告を依頼する。また,生活科の成果物として絵日記等を児童に作成してもらうことを小学校と協議し,匿名を条件としての成果物の共有をお願いする予定。 小学校の選定が2学期になった地域に関しては,導入時期,調査の実施時期等について協議して定める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響を受け,ホスティング飼育を行う学校の選定が年度内に完了できなかった。これに伴い,動物や飼育のための器具の購入が進まず,また慣らし飼育等の人件費,調査に必要となる物品等の購入も発生しなかった。今後発生する動物のエサ代を考慮し,パーソナルコンピュータや分析ソフトの購入も保留とした。 次年度は動物や飼育に必要となる器具の購入,慣らし飼育・検診・動物の導入にあたっての獣医師の講話等の人件費が生じる予定。
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