2021 Fiscal Year Research-status Report
A study on students' learning processes of proving within the context of problem posing by focusing on probability and diversity of argumentation
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20K02904
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
辻山 洋介 千葉大学, 教育学部, 准教授 (10637440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 哲士 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (60758811)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 問題設定 / 議論 / argumentation / 証明活動 / proof / proving / 学習過程 / 数学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,まず,2020年度の考察をもとに2021年3月に大学附属中学校の生徒を対象として実施した予備調査1の分析および関連する先行研究の考察をもとに,学習過程を改良した。具体的には,①出発点の命題を証明する,②証明を活用して,命題の意味を把握する,③命題の属性を挙げ,属性の一部に着目してWhat-If-Notを問い,問題を設定する,④証明を活用して,設定した問題を解決する,⑤出発点の命題と設定した問題とを比較しながら,証明を活用して,命題の意味を把握するという学習過程を設定した。 その上で,小中高の教員を含む研究協力者の助言を得ながら,公立小学校および大学附属中学校での一斉授業を対象として予備調査2を計画,実施した。当初は大学附属中学校のみの予定であったが,予備調査1の分析から小学校での実践に向けての示唆が得られたことと,研究分担者が加わったことで研究を幅広く進めることが可能になったこととにより,公立小学校での計画,実施が可能になった。ただし,予備調査の対象を増やして計画,実施を行ったことにより,結果の分析はまだ進行中である。2021年度内に予定していた分析は2022年度に行う。 また,研究成果発表および研究情報収集を行うために参加予定であった二つの国際学会がオンライン開催になった。論文作成を含め,研究成果発表については問題なく行えているが,関連する研究課題に取り組んでいる海外の研究者や実践者との対面での情報交換が不足している。引き続き環境整備と方策の検討に取り組み,研究課題の遂行に大きな影響が出ないよう,研究協力者と調整を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度から引き続き,オンライン環境の整備および共通文献の共有により,研究協力者との研究打ち合わせはリモートで実施することができた。新型コロナウイルス感染症の影響による2020年度の研究の若干の遅れは,おおむね挽回することができた。さらに,研究分担者を1名追加することにより,予備調査1の分析および予備調査2の計画,実施を有意義に進めることができ,当初は予定していなかった公立小学校でも予備調査2を計画,実施することができた。 予備調査2の対象を増やしたことにより,結果の分析はまだ進行中であるが,計画の微調整により対応可能である。具体的には,2021年度内に予定していた分析を2022年度に行い,その上で予定通り本調査1の計画,実施,分析へと進むことで対応する。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,まず,予備調査2の分析及びその結果に関連する先行研究の知見をもとに学習過程を改良し確定する。そして,中学校教員の助言を含む研究協力者を得ながら,公立中学校での一斉授業を対象として本調査1を計画,実施,分析する。 2023年度は,小学校教員を含む研究協力者の助言を得ながら,公立小学校での一斉授業を対象として本調査2を計画,実施,分析する。そして,本調査1と2の分析をもとに学習過程の有効性を検証する。 なお,新型コロナウィルス感染症の影響により,本調査1と2の実施に変更の必要が生じた場合は,各調査を予定年度よりも後に実施したり,オンラインでの調査方法を検討したり,授業ではなく記述式の調査問題を用いた分析に変更したりすることで,柔軟に対応する。
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Causes of Carryover |
研究協力者とともに研究成果発表および研究情報収集を行う予定であった二つの国際学会がともにオンライン開催になり,旅費の使用がなくなった。具体的には,第44回国際数学教育心理研究学会(The 44th Conference of the International Group for the Psychology of Mathematics Education)と第14回国際数学教育学会(The 14th International Congress on Mathematical Education)が,新型コロナウィルス感染症の影響により2020年度は延期になり,2021年度に実施される予定だったが,結果的にオンライン開催になった。 2022・23年度は,新型コロナウィルス感染症の影響を注視しつつ,可能な範囲で国際学会や研究会に参加することや,関連する研究課題に取り組んでいる海外の研究者や実践者のところに情報収集に行ったり専門的知識を提供してもらったりすること,オンラインで研究協力者との情報共有および議論を促進できるような機器を購入することを通じて,研究を進めていく。
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Research Products
(9 results)