2021 Fiscal Year Research-status Report
身近な食と連携した新たな体験型の海洋教育「海育(うみいく)」の提案
Project/Area Number |
20K02923
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
細谷 夏実 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (70212199)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 海洋教育 / 生活体験 / 食育 / うみいくカード |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生活体験の中の重要な要素の一つである「食」と関係づけ、地域と連携した体験型の海洋教育実践例を提案することを目的としている。具体的には、これまでに活動実績を重ねてきている能登半島の穴水町をフィールドとし、小学生を対象に、地元特産の魚介類を題材とした「うみいくカード」を作成する取り組みを拡充しつつ実施する。さらに、取り組みの成果を検証することを目指し、子どもたちにアンケート調査を実施する。 2021年度は、前年度(2020年度)同様にコロナウイルス感染症の影響が続き、2年続けて現地に出向くことはできなかった。 しかし、コロナウイルス感染症の拡大前から継続的に連携してきている地元の小学校や教育委員会などの協力を得て、うみいくカード作成の取り組みは実施することができた。当該小学校の3年生がふるさと教育で行う地元の牡蠣養殖現場での体験学習を題材とし、養殖や加工について学んだことを、子どもたちが各々自由に絵や文章として表現した。できあがった絵や文章を受け取り、子ども一人分の絵と文章が1枚のカードになるように編集してうみいくカードを作成した。完成したうみいくカードは、2020年度に作成済みのケースに全員分(2021年度は7名分)をセットにして入れ、担任の先生から子どもたちに手渡してもらった。また、取り組みの効果を検証するための指標として実施してきている海洋リテラシーとセルフエフィカシーに関するアンケート調査についても、小学校との郵送でのやりとりを介して実施することができた。 現時点での取り組みの状況及びアンケート調査の検討結果などについては、複数の学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は能登半島の穴水町をフィールドとしている。2021年度は、前年度(2020年度)同様、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が落ち着かず、現地に出向いて打合せや調査を行ったり、さらに新たな取り組みの検討をするといったことが、一切行えなかった。 そのような状況下ではあったが、研究の主軸となる「うみいくカード」の作成については、小学校の校長先生等の協力のおかげで、例年同様の取り組みを実施することができた。また、取り組み前後で行っている子どもたちへのアンケート調査についても、郵送でのやりとりを介して実施することができた。 ただ、現地に出かけられず、子どもたちの取り組み状況や反応などを直接把握することができなかったこと、また、コロナ前に実施していた、うみいくカードの一般の人への配付と感想の収集などが行えなかったこと、などを総合すると、研究が計画通り順調に進捗しているとは言えないと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルス感染症の状況は、ようやく少し落ち着く方向に向かっているように見うけられ、地方への訪問も可能となってきている。そのため、2022年度については、現地に出かけて実施する打合せや調査などを再開し、研究を進めていきたいと考えている。 具体的には、うみいくカードの取り組みを行っている穴水町の小学校について、校長先生や担当の先生方を訪問して直接打合せや検討を行い、子どもたちの状況も把握しながら、継続したカード作成とアンケート調査、取り組み効果の検証を行っていきたい。また、穴水町にあるもう一つの小学校についても、うみいくカード作成ないしはそれに準じた取り組みの提案、及びアンケート調査の実施について、検討していきたい。
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Causes of Carryover |
2021年度は2020年度と同様に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、現地(能登)に出かけて行う打合せや活動が全くできず、参加した学会もすべてオンラインであったため、予定していた旅費を使用しなかった。また、現地での活動ができなかったため、活動を補助してくれる協力者への謝金も使用しないままとなった。 2022年度については、新型コロナウイルス感染症の状況が少しずつ落ち着いていることに鑑み、可能な限り現地に出向いて活動を行い、取り組みを拡充しながら研究を実施していきたいと考えており、研究計画に則って予算を執行していく予定である。
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