2020 Fiscal Year Research-status Report
専門高校における専門教育の高度化とその実用性に関する研究
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20K02924
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
阿部 英之助 大東文化大学, 社会学部, 准教授 (10408982)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 専門高校 / 専門教育 / 高度化 / 職業教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、専門高校における「職業教育の高度化とその実用性」に焦点をあてるものである。現在、専門高校で進められている大学進学に重点化した取り組みや専門教育の高度化の実態とその課題について明らかにし、「職業教育の高等教育化」を解明するのが目的である。 今年度は、現地調査などを予定していたが新型コロナウィルス感染症拡大と所属先から国内出張に対する制限もあり、計画通りに進めることが困難となった。そのため、2016 年から文部科学省が進めている「スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール」(SPH)の取り組みについて、SPHの指定を受けている高校の報告書などの収集を行うと同時に、その分析を中心に行った。特に、農業高校の動向については、『農業と経済』Vol.86において「農業高校のビジネス人材育成の現状と課題」として、研究成果の一部を取りまとめた。具体的には、SPHの後継事業として、「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」が、高校と市町村、産業界がコンソーシアムを構築し、地域課題の解決や将来地域で活躍できる人材育成を目指している現状と、そこでの課題を明示した。とりわけ農業高校が、GAP認証などを通じて、教育内容の高度化を目指し、新しいビジネス人材育成を目指しているが、目下のところ学校施設・設備の老朽化の問題に直面していることも明らかにした。今後は、農業高校以外の専門高校にも焦点を広げ、専門高校全体での動向を踏まえ、分析していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大により、当初予定していた現地調査が全く出来なくなったこと。また、全国産業教育フェアや各学校のイベントなどもオンライン開催または中止になるなど、各学校の取り組みや実態を肌身で知る機会が少なくなったことも、進捗が遅れる原因となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症の収束について見通しが立たない以上は、現地調査を実施することが難しいことが予想される。そのため、現調調査ではなく、リモートによる聞き取りや、オンライン活用した調査方法を模索し、新たな調査体制を構築していきたいと考えている。また、昨年度から実施している各学校の報告書の分析なども、範囲を広げて進めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大によって、当初予定していた国内旅費が全く執行できなかったため、次年度使用額が生じた。次年度も、新型コロナウィルス感染症による影響について見通しが立たないため、リモートによる調査体制の構築や調査対象の変更なども視野に入れ、柔軟に対応していきたいと考えている。
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