2023 Fiscal Year Annual Research Report
専門高校における専門教育の高度化とその実用性に関する研究
Project/Area Number |
20K02924
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
阿部 英之助 大東文化大学, 社会学部, 准教授 (10408982)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 専門高校 / 職業教育 / 専門教育 / 高度化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、専門高校における「職業教育の高度化とその実用性」に焦点をあてるものである。現在、専門高校で進められている大学進学に重点化した取り組みによる専門教育の高度化の実態とその課題について明らかにして、職業教育の高度化が目指す中身と個々の高等教育機関への高度化との対応といった、「職業教育の高等教育化」解明している。 今年度は、高等学校専攻科に焦点をあて、専攻科で進められている大学進学および職業教育に重点化した取り組みについて、調査・研究を行った。 専攻科は、2018年現在、138校、生徒数9497人【男子1,702名、女子7,795名】であり、その内訳は、普通科1、農業7、工業20、商業1、水産22、看護82、福祉6で、看護がその大半を占めている。各専攻科の主たる目的は、「高度な技術などの専門教育の深化」と「資格取得」とされている。例えば、看護(2002年に5年一貫看護師課程が創設)は看護師国家試験受験資格を得ることが出来るほか、水産では、3級海技士資格に必要な乗船履歴を得ることができ、3級海技士資格の取得が目指されている。さらに2016年から高等学校専攻科修了生の大学への編入学が可能となった。このように、新たに大学編入といった大学接続ルートによる「職業教育の高等教育化」が進む中、専攻科を取り巻く環境が変化しつつあり、その研究成果の一部は、第4回日本職業教育学会にて報告を行った。 昨今、大学進学も含めた「上級学校」への接続による高度専門化を図る傾向が出てきている中で、専攻科から進学し高等教育機関への接続といった「高度化」がいかなる実用性を持つのか、専攻科の専門性とはなにか考える時期に来ていることが明らかになった。
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