2022 Fiscal Year Research-status Report
多面的な入学者選抜における公平性の検証:地方や障害のある受験生への影響を中心に
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20K02942
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
立脇 洋介 九州大学, アドミッションセンター, 准教授 (50511648)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 入学者選抜 / 多面的評価 / 公平性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多面的な入学者選抜が、一部の受験生にとって著しく不利にならず、公平に行われ、多様な人材の獲得につながるかを検討する。本年度は、①発達障害障害受験生への時間延長の効果、②学習指導要領の改訂が入学者選抜に与える影響について検討を行った。 202年度入試への新型コロナウィルスの影響について検証した。 ①発達障害障害受験生への時間延長の効果:前年度に引き続き、発達障害のうち自閉スペクトラム症の人と、障害のない人を対象に、大学入試センター試験の英語の問題を用い、試験時間延長の効果を検証した。その結果、自閉スペクトラム症の人では、自閉症の特性を持つほど、延長の効果が大きかったのに対して、障害のない人では、認知能力が高いほど、延長の効果が大きいことが明らかになった。 ②学習指導要領の改訂が入学者選抜に与える影響:新しい学習指導要領で実施される2025年度入学者への準備状況を検討するために、全国の高校1、2年生を対象に調査を実施し、前回の入試改革(2021年度入学者選抜)と比較を行った。その結果、前回に比べて、選抜方法の変更に関してあまり知られておらず、注目されていないことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの影響により、インタビュー調査は当初の計画を変更しているものの、web調査で全国の高校生と対象としたアンケート調査を実施することができたのが大きな成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
学習指導要領の改訂に関する調査は、1年後のデータも収集し、2年分のデータを比較する予定である。これまで収集してきたデータの詳細な分析を行い、研究成果を公表する。
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Causes of Carryover |
一部の調査が実施できなかったため、人件費、謝礼金、旅費を使用できなかった。また、アンケート調査を年度末に実施したため、支払いが次年度になった。未実施の調査に加えて、追加のアンケート調査費用及び研究成果発表のための旅費等で使用する予定である。
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Research Products
(4 results)