2022 Fiscal Year Annual Research Report
国際比較の視点に基づく大学ガバナンスに関する理論的・実証的基盤研究
Project/Area Number |
20K02953
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
劉 慶紅 立命館大学, 経営学部, 教授 (20632673)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大学ガバナンス / 大学の情報公開 / コーポレートガバナンス / 比較研究 / 大学の社会的責任 / 企業の社会的責任 / 学際研究 / 経営倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の基本的視点は、企業においてはコーポレートガバナンスの推進が強く求められる一方、より公益性の高い社会的存在である大学において大学ガバナンスが重視されるのは当然であるというものである。本研究では、国際社会に通用する大学ガバナンスの適切なあり方を模索すべく日米中を比較分析し、大学ガバナンスを中心に独創的かつ革新的に基盤研究を行う。 2022年度の研究課題は、「今後大学経営を存続させるべく有効な大学ガバナンス戦略のあり方及び国際比較を通したガバナンスに関する大学の社会責任」の実証研究である。しかし新型コロナウイルス感染症の影響で、海外での現地ヒアリング調査が実施できず、そのため、オンライン会議ツールを活用した海外ヒアリングを試みるなどした。このよう努力を重ねて、研究の目標を達成し、最終的に今年度は、今までの研究の集大成として国際シンポジウム(「AI 時代に求められる大学の経営倫理:社会的責任と信頼」)を2023年2月3日に立命館大学で主催した。 また、本研究の特色として、企業戦略論の視点を積極的に取り入れた点である。学齢人口の減少など、社会環境の変化により、大学経営が厳しさを増す中、本研究では、今後大学経営を存続させるために有効な大学ガバナンス戦略のあり方を考えるうえで、最新の経営戦略論としての「統合戦略」を研究し、それを参照した。この「統合戦略」は大学ガバナンス戦略を考える際に参考となる。今年度では,査読論文1本,学術単著1冊(『戦略的利他主義』)の出版を通じて研究実績を発表し、広く社会に還元することを行い、当初の研究目標を達成した。
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