2020 Fiscal Year Research-status Report
文章の執筆過程の分析に基づく大学初年次生の文章産出能力の実証的研究
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20K02974
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Research Institution | Chuogakuin University |
Principal Investigator |
田中 啓行 中央学院大学, 法学部, 講師 (40779774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 圭 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 教授 (40313449)
大島 弥生 立命館大学, 経営学部, 教授 (90293092)
田島 ますみ 中央学院大学, 法学部, 教授 (90534488)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 初年次教育 / アカデミック・ライティング / 作文教育 / 執筆過程 / 文章表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、大学初年次生を対象とした文章執筆調査を実施し、データの収集を行った。調査の手順は以下の通りである。まず、大学1年生に文章執筆用のアプリケーションを使用して1200字程度の作文を書いてもらい、執筆中のパソコンのキー操作を記録する。執筆終了後、キー操作の記録を分析し、執筆中に文章の修正を行った箇所、一定時間キー操作がなかった箇所を特定する。執筆した作文、執筆中のキー操作の記録を分析した結果をもとに、執筆者にオンラインでインタビューを行う。 作文は一人あたり4本で、(1)自分が経験したことを述べるもの(経験文)、(2)自分が好きなものについて説明するもの(説明文)、(3)二つの選択肢のどちらが良いかについて意見を述べるもの(意見文)、(4)提示されたテーマに関する意見を述べるもの(意見文)の4種である。作文のテーマは4つまとめて提示するのではなく、各作文の執筆直前に伝えた。 インタビューはオンラインで、キー操作の記録のデータを画面に表示しながら行った。執筆過程に沿って、「なぜ修正したのか」「なぜ一定期間キー操作をしていないのか」を中心に質問した。インタビューは録音し、順次文字化に着手している。 上記の手順で収集した作文のうち、文章に問題が見られる作文1例、特段の問題が見られなかった作文1例について、執筆過程と執筆者へのインタビューのデータを分析したところ、問題が見られる作文を書いた学生は、執筆中に意識している文章の範囲が狭い可能性が示唆された。そのために主述のねじれなどの問題が生じているものと考えられる。本年度の終わりに、この分析の内容をまとめ、学会で口頭発表を行った。次年度はデータの収集を継続するとともに、収集したデータの処理と分析をさらに進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による学期開始時期の遅れ、オンデマンド授業実施などにより、当初は調査協力者の募集が想定通りに進まなかった。 しかし、オンラインでインタビューを実施することにより、研究代表者、研究分担者の所属機関がある地域だけでなく、広範囲の大学の学生から協力を得ることができた。 次年度は、初年度の調査手順とデータを見直したうえで調査を継続し、早期に必要な人数のデータを収集する。 また、収集したデータの分析に着手し、学会発表を行うことができた。2020年度の分析結果をふまえて、次年度に収集するデータについても、処理・分析を速やかに行い、分析結果をまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、まず前年度に行った調査を継続する。前年度の調査の反省点をふまえて、必要な人数のデータが収集できるように実施する。インタビューは引き続きオンラインで実施する予定である。 さらに、調査の実施と並行して、収集したデータの処理・分析を進める。執筆中のキー操作のデータに関しては、執筆中に修正した箇所、一定時間キー操作がなかった箇所の特徴を分析する。また、インタビューを文字化し、キー操作のデータの分析と合わせて、大学1年生がどのような意図で文章の修正や表現の選択を行っているのかを明らかにする。 また、教員による作文の評価を行う。教員の評価と執筆者の意識を付き合わせることにより、大学生の文章を改善するために必要な指導内容を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で調査、会議のための旅費の支出がなかったこと、調査開始が想定より遅くなったため、調査謝金、データ処理のための費用の支出が少なかったことにより、次年度使用額が生じた。次年度使用額については、次年度請求分とあわせて、調査謝金、データ処理のための費用として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)