2022 Fiscal Year Research-status Report
冒険教育を活用したカリキュラム埋め込み型の大学適応教育プログラムとアセスメント
Project/Area Number |
20K02984
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
松下 尚史 岡山理科大学, 情報理工学部, 准教授 (20229470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 美香 岡山理科大学, 基盤教育センター, 准教授 (30521067)
望月 雅光 創価大学, 経営学部, 教授 (70284601)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 冒険教育 / 教育効果 / 身体性 / 仲間作り / 社会的スキル |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍の影響を受けたため、研究調査を見直し、感染対策を徹底した上で、大学構内の広場において、ローエレメント(高さが低い施設)を使ったプロジェクトアドベンチャーを組み入れた新入生オリエンテーションを実施した。その結果、学生が記述したワークシートからコミュニケーションの取り方や人間関係の構築の仕方を体験的に学ぶともに、参加者同士の人間関係が深まっていたことがわかった。そして、初対面でありながらも勇気を出して声をかけるなど、苦手意識に対して一歩踏み出す様子が参与観察により確認できた。具体的には、身体を使って仲間と協同しなければ解決できない課題に挑戦する過程の中で、相手に声をかけたり、相手の話を聞いたりするようになっていった(コロナ禍前の取組と同じ結果であった)。満足度調査の結果でも、89.2%の学生が肯定的に捉えており良好な結果を得られたことから、本取組がコロナ禍によって生じた学生の人間関係不安の解消につながったと判断した。 あわせて、2018年度実施した新入生オリエンテーションに組み入れたプロジェクトアドベンチャーについて、3年間の追跡調査を行い、教育効果の持続性も確認できた。なお、本取組で編成したグループを維持するために、初年次の専門基礎教育科目(ロボット製作)にも接続させている。このグループの関係性は大学生活の中でも維持され、教員との距離感の接近などもあいまって、仲間意識の継続による学習コミュニティの形成へと繋がり、学びの好循環を生む素地となったことが推察された。実際に、4人の学生の入学時から3年次までの様子から学びの好循環の発生を確認した。 さらには、冒険教育の要素が含まれる体育の科目との連携を検討するために、マリン実習やスキー・スノーボード実習を観察したところ、コミュニケーション力など社会的スキルを向上させていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
冒険教育には身体の接触が伴うため、コロナ禍の影響を受けた。コロナ禍の影響を考慮して上での調査の実施となり、当初の計画通りには実施できなかった。また、施設を使った実験的な取り組みの実施や先進事例の実地調査もできなくなった。そのため、研究計画を見直し、海外の文献調査を行い、感染対策を踏まえた試行を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
退学予防を意図した大学適応に必要なスキルやコンピテンシーを検討する。冒険教育の各アクティビティがどの様なコンピテンシーを育むのか充分に整理されていないことから冒険教育のプログラム幾つかの科目に組み込み、教育効果を確認する。また、教員間でアセメント結果を共有させ、科目間連携の可能性を検討する。 コロナ禍による影響を考慮してWeb調査の実施も見送っているが、状況を見て判断したい。引き続き、コロナ禍における身体性についても検討したい。
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Causes of Carryover |
コロナの影響を受け、予定していた調査が実施できなかった。また、コロナ禍による影響を考慮してWeb調査の実施も見送っている。そのため、これらの調査を次年度に持ち越して調査を行う予定をしている。
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Research Products
(2 results)