2020 Fiscal Year Research-status Report
高等専門学校における人権教育プログラムの開発と検証
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20K02988
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Research Institution | Osaka Prefecture University College of Technology |
Principal Investigator |
伏見 裕子 大阪府立大学工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (60747492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 裕一 大阪府立大学工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80249812)
金田 忠裕 大阪府立大学工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80259895)
鯵坂 誠之 大阪府立大学工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60634491)
高橋 舞 大阪府立大学工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (50862562)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人権教育 / セクシュアリティ教育 / 高等専門学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研で解決すべき問いは,「高専において,どのような人権教育プログラムが最適かつ持続可能であるか」である.1年目である2020年度は,申請時に予測しえなかった新型コロナウィルス感染症の感染拡大により,本校の教育活動にも多大な影響が生じた. そこで2020年度は,対面での講演会や質疑応答が困難な状況でも持続可能な教育形態について議論を重ねた.幸い,2020年3月に,テキスト『ふらっとライフ―それぞれの「日常」からみえる社会―』(北樹出版)が刊行され,4月には学生の手元に届いていた.本校の人権教育プログラム「ふらっと高専」は,さまざまな背景をもつ当事者と出会い,言葉を交わすことを重要視していることから,コロナ禍でもその特徴が生かされるようにした. 議論の結果,①学生が,講演のテーマとなるテキストの章を読み,講演者=章の執筆者に向けて,Googleフォームに質問やコメントを記入する.②本校教員が学生の質問等をとりまとめ,講演者に送る.③講演者は,学生から寄せられた質問やコメントに応答するかたちで講演を行う(講演の形態は,対面が許される時期には対面で,対面が不可能な場合はオンデマンド動画として配信).④講演後は,学生が事後学習用のGoogleフォームに記入することにより,理解度や学習効果を教員が把握できるようにした. ①の段階について,発達障害等の特性で長文を読むのが難しい学生もいることから,出版社の許可を得て,朗読の音声動画を作成した.①の音声動画作成や③のオンデマンド動画作成に当たっては,機材を多数購入する必要があったが,科研費を柔軟に活用することで可能になった. また,④の事後学習について,学習の効果測定のために何を問うべきなのか検討するため,これまでの「ふらっと高専」の取り組みを振り返り,論文執筆や研究会発表等を行って,その内容をもとに質問項目を更新した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初想定していなかったコロナ禍のという困難のなかでも,高専で持続可能な人権教育の方法を新たに開発することができたため.また,教育効果の測定についても,過去の学生の回答を分析することで,より有効な事後学習のフォームを作成することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,まず2020年度の取り組みの総括を行い,また講演者にもヒアリングを行うことで,持続可能な教育のあり方を明確にする.その結果は,高専学会や教員FD等で発表する.さらに,2022年度に計画している高専人権シンポジウム(仮称)への準備を行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響により,学会等に行くことができず,旅費が当初の計画とは大幅に異なる結果となった.2021年度以降は,旅費として使用することが可能ならば使用し,リモート中心の状況が続くようであれば,遠隔でもシンポジウムが可能となるような機材等の購入にあてる計画である.
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Research Products
(3 results)