2022 Fiscal Year Research-status Report
高等専門学校における人権教育プログラムの開発と検証
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20K02988
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Research Institution | Osaka Metropolitan University College of Technology |
Principal Investigator |
伏見 裕子 大阪公立大学工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60747492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 裕一 大阪公立大学工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80249812)
金田 忠裕 大阪公立大学工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80259895)
鯵坂 誠之 大阪公立大学工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60634491)
高橋 舞 大阪公立大学工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (50862562)
東 優子 大阪公立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (60330601)
阿久澤 麻理子 大阪公立大学, 人権問題研究センター, 教授 (20305692)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人権教育 / セクシュアリティ教育 / 高等専門学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、COVID-19の感染対策を行いつつ、対面での講演などを安定的に実施することができた。同時に、この3年ほどで培われた講演動画の作成スキルが活かされ、オンデマンド教材も順調に蓄積することができている。 2022年度最大の実績は、9月に、科研申請時から予定していた「高専人権シンポジウム」を実施したことである。あらかじめ全国の高専教職員を対象に、人権教育の現状と課題に関するアンケートを実施し、当日は、関東・四国の高専教員に発表していただいた。大阪公立大学高専(本校)からは、取り組みの概要について教員が発表し、人権教育での学びについて、学生からも発表を行った。また、研究者や弁護士からの人権教育に関する基調講演と、人権教育プログラムの評価に関する発表もしていただいた。これらにより、本科研の研究課題について最終報告を行う準備が整ったと言える。また、このシンポジウムで大阪公立大学および他高専との間で、人権教育に関するつながりができたことは、今後も取り組みを継続・発展させるうえで重要な基盤になると思われる。 日本高専学会では、本校で新設された人権関連科目に関する報告と、人権・セクシュアリティ教育における養護教諭の関わりについての報告を行ったほか、これまでの取り組みついてまとめた論文も掲載された。校外の分担者においても、最新の知見を次々に報告している。 さらに、本校の体験入学に際し、人権教育について説明する動画を作成し、上映した。また、企業などを対象とした人権講演等も積極的に行い、本校の取り組みを紹介した。 以上を総括すると、2022年度は、国際基準に照らして適切な人権教育を高専で実施するという姿勢と、プログラムの評価基準を広く示すことができ、非常に有意義な1年であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
大阪公立大学の阿久澤教授、田間教授、東教授との議論により、国際基準に照らして適切な人権教育の実現やプログラム評価に向けて、大きく進展した1年であった。シンポジウムにおいても、当初想定していなかった学生からの発表が行われ、プログラムの成果が具体的に示された。他高専の教員とのつながりもでき、日本高専学会を介して共同研究を進めていく準備も整った。さらに、これまでの取り組みをまとめた論文を執筆する機会をいただき、本プログラムについて広く知っていただく機会に恵まれた1年であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、前年度のシンポジウムの内容を軸とし、その後の取り組みや議論をふまえた最終報告書をまとめる予定である。また、人権関連科目に絡めて、他高専でも実施可能となるようなツールを開発・公開し、持続可能な教育のあり方について提示したい。
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Causes of Carryover |
当初、シンポジウムに際して、参加者の旅費を計上していたが、Zoomを併用することで、その分の支出を抑えられた。2023年度の最終報告書作成費用に充てる計画である。
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