2023 Fiscal Year Annual Research Report
The method of causing active learning for Special Need Educaion Teacher Training Course student:contets and form
Project/Area Number |
20K02991
|
Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
村上 由則 東北福祉大学, 教育学部, 教授 (90261643)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 病弱教育 / 肢体不自由教育 / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究延長期間である2023年度は、対面での教材作製、模擬授業等が実施可能となると共に、未実施であった疾患・障害当事者並びに医療関係者との情報交流を実施した。 ①疾患・障害機序の理解と生活行動上の困難・主観的不安感を擬似体験するための自作教材の検討:超重症児への教育的アプローチとその評価について、受講学生が体験する「状況モデル教材」を構成した。反応の把握が難しい超重症児でも、一定の枠組みを設定した係わりと組織的観察により、意図的と推定される行動発現が見出される状況を擬似的に体験・体感する教材である。この活用により「反応がない」のではなく「反応を見落としている」可能性に気づき、支援者自身のアプローチや観察方法を省察に導くことが示唆された。 ②疾患・障害機序の理解と生活行動上の困難を理解し、指導・支援方法を開発・実践する資質育成のための授業内容の検討:特別支援教育専攻大学院生を対象に、教材の構想、試作教材と模擬授業構想の提示、教員および大学院生間でのディスカッションを授業期間で複数回繰り返した後、完成教材の提示と模擬授業を実施した。ディスカッションの継続が教材作製と模擬授業の内容・方法について、具体的で洗練されたイメージを醸成することが確認された。 ③疾患・障害当事者等との情報交流:喘息、糖尿病、血友病について実施した。ひとつは喘息発作時に狭窄する気道の直径を変化させ、直径とピークフロー測定値の関連を体験する教材である。二つ目はⅠ型糖尿病患者の穿刺による血糖測定の際の不快感を擬似体験する教材である。各当事者からは、学生等の「病気・障害」理解には有効との評価を得た。三つ目は可動域制限を示す血友病患者が体験する生活場面(靴紐結びと箸の使用)の困難について、医療職に擬似体験と感想を要請したところ、日常生活上の困難や社会的偏見を引き起こし得る関節障害の実態を理解したとの感想を得た。
|