2020 Fiscal Year Research-status Report
A 2020 survey of students with visual impairment in Japan.
Project/Area Number |
20K02992
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柿澤 敏文 筑波大学, 人間系, 教授 (80211837)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 視覚障害原因 / 視覚特別支援学校 / 弱視特別支援学級 / 弱視通級指導教室 / 視力 / 使用文字 / 視覚補助具 / 重複障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年7月に、全国視覚特別支援学校67校に在籍する幼児児童生徒に対して視覚障害原因等の質問紙調査を実施し、全校より、全2,481人(全国盲学校長会2020.5.1調査結果在籍者総数2,502人の99.2%)の回答を得た。2015年以降、視覚特別支援学校はその校数に変化はないものの、在籍児童生徒は470人減少した。重複障害幼児児童生徒の割合は増加し、4割弱を占めた。視覚障害原因は先天素因(55.7%)、未熟児網膜症(16.9%)、原因不明(12.3%)、腫瘍(6.7%)、全身病(5.3%)、外傷(1.7%)、感染症(1.3%)の順に多い。眼疾患の部位では、網膜疾患(45.2%)、眼球全体(32.2%)、視神経視路疾患(15.4%)、水晶体疾患(2.9%)の順であった。前回調査の2015年調査結果と比較して、先天素因による眼球全体が増加し、網膜疾患、角膜疾患、水晶体疾患が減少した。 在籍児童生徒の3割は普通文字使用が難しい視力0.01未満であった。小学部以上の文字使用者は1,858人(79.5%)で、重複障害等により文字指導が困難なものは331人(14.2%)であった。点字使用者が566人、普通文字使用者が1,211人、点字と普通文字併用者が81人で、2015年調査結果と比較して、普通文字使用者の割合が減少、併用者の割合が増加、点字使用の割合は大きな変化が認められなかった。点字や普通文字の使用が難しく、音声や録音教材を使用している者が75人(3.2%)在籍し、その割合が増加傾向にある。視覚補助具使用者 は在籍者の6割を占め、増加傾向にあった。 2021年2021年2月に実施した全国弱視特別支援学級・弱視通級指導教室在籍の児童生徒の視覚障害原因等について、小学校195校児童274人、中学校56校生徒69人より回答を得た。現在、視覚特別支援学校在籍者と同様の分析を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国視覚特別支援学校ならびに弱視特別支援学級・弱視通級指導教室在籍幼児児童生徒に対する質問紙調査を予定通り実施し、分析・報告書作成を進めている。一方、新型コロナ感染予防のために、参加予定であった国内学会、海外学会がオンライン開催や延期となり、当初予定していた本研究に関連する研究知見の収集と成果発表を十分行うことができず、2021年度以降に同内容を実施予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度の研究計画・方法:全国の小・中・高等学校に在籍する視覚障害の可能性のある児童生徒を対象とした、視覚障害原因等の調査を実施し、データを入力・分析し、第二次結果の集約を行う。①4月~9月 調査票の検討及び印刷。調査対象校の抽出、②10月 調査票の発送、③11月 調査票の回収、④12月~3月 データの入力と第二次結果の集約。日本特殊教育学会、日本弱視教育研究会・障害科学学会で結果発表 2022年度の研究計画・方法:前年度前々年度の調査結果の資料に基づいて、結果の整理と考察を行い、調査全体のまとめを行うとともに、過去の調査との比較を行い、縦断的・横断的に視覚障害原因等の推移等を明らかにし、報告書を作成する。日本特殊教育学会、日本弱視教育研究会、障害科学学会で総合結果の一部を発表。報告書の作成・印刷・製本。報告書を関係機関等へ配布 2023年度の研究計画・方法:英文報告書作成。国際ロービジョン学会参加・発表
|
Causes of Carryover |
当初参加予定の国内学会がオンライン開催に、海外学会が延期となり、出張費の支出がなかった分、次年度使用額が生じた。 2021年度開催予定の国内学会に参加する際の出張費、学会参加費ならびに学会年会費として使用予定である。
|