2022 Fiscal Year Research-status Report
重度・重複障害児の能動的な学習を促進する学習内容と学習環境の設定に関する研究
Project/Area Number |
20K02999
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
樋口 和彦 広島修道大学, 人文学部, 教授 (80710110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 香奈子 広島修道大学, 人文学部, 教授 (00435356)
三木 由美子 広島修道大学, 人文学部, 准教授 (90726217)
藤川 志つ子 淑徳大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (50637874)
渡邉 正人 鳥取大学, 地域学部, 講師 (60907773)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 行動場面 / 生態心理学 / 能動性 / 学習環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究協力先である地域療育センター及び特別支援学校で、園児・児童・生徒(以後、子どもとする)の行動観察を行った。観察の際、樋口(2019)が作成した「行動場面のシステム構造の評価(以下、構造評価とする)」の5区分で評価した。5区分とは、a活動の目的と活動の役割、b構成員(子どもと教師)の行動場面での役割、c構成員の役割の階層(例:リーダー、特別の役割がある、ある程度の役割がある等)、d活動における空間・構造物・教材等の種類・形態・目的・配置、e活動における構成員の価値観(『指導者の価値観:授業の意図、活動の目標、つけさせたい力など』と『子どもの価値観(満足、快感、個人的な好悪)』)分である。 今年度は、特に子どもに役割を持たせ、自主的な活動を形成することを目標とした。活動を分析した結果、子どもができる内容も、指導者が行ってしまっている実態が明らかになり、できる限り子どもに役割を持たせた。構造評価の5区分のうち、bでは子どもの活動内で仕事を持たせる、cでは子どもにリーダーにを任せるなどが特に効果的であった。これらの行動場面では、活動したり、リーダーの役割をしたりしている子どもを他の子どもが観察する場面が増えた。これは、地域療育センターの園児、特別支援学校の児童・生徒に共通する傾向であった。 これまでの重度・重複障害児の学習研究では、子どもの変容に視点を置き検討する傾向にあった。しかし、本研究の成果を活かして学習内容や環境設定に力点を置いた研究が必要である。 今後はこれらの知見を生かし、「行動場面のシステム構造の評価」の内容を評価表として完成すると共に、具体的な事例も提示していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
子どもの観察は終了しており、後は、「行動場面のシステム構造の評価」の内容を評価表として完成すると共に、具体的な事例の提示を行い、研究のまとめに入る。 研究結果を学会発表すると共に、書籍として出版の準備を行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、研究成果をまとめ、学会発表及び書籍の出版を目指して活動する。
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Causes of Carryover |
研究成果をまとめ、学会発表や書籍の出版などにより、公開する期間が必要となったため。
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Research Products
(3 results)