2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of autistic individual's self-understanding using conventional EEG measurement tool.
Project/Area Number |
20K03007
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
成田 奈緒子 文教大学, 教育学部, 教授 (40306189)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム / レジリエンス / 半球優位性 / 教育的介入支援 / 脳機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症スペクトラム( ASD) 児者においてよくみられる対人関係や社会活動の苦手さの原因は、脳の働き方の違い、特に脳の興奮が特に左の前頭葉で収まりにくくなることにあるという仮説を立て、研究を続けている。本研究課題ではその仮説をもとに、脳波を測定しながら前頭葉のトレーニングを行うことで、自分の脳機能を自分でコントロールできるようになり、対人関係の苦手さやストレス耐性が改善されることを証明したいと考える。 現在までに11名のASD者と11名の定型発達(TD)者での比較検討を行った結果、S-H式レジリエンス検査質問紙で測定したレジリエンス合計点について、初回測定時に認められたTD者とASD者の統計学的有意差が、最終回測定時には認められなくなった。レジリエンスのカテゴリ中ソーシャルサポートの点数も同様に、初回で認められたASD-TD間有意差が最終回では消失した。正答率・処理速度もASD者のみ平均パーセンテージが有意に上昇し後でTDとの差がなくなった。前頭葉トレーニング中の脳波成分分析結果では、ASD者のみで初回と最終回比較で右脳Hβ波、右脳γ波の出現が有意に減少し、不安緊張の低下が示唆された。 このことより今回の教育的介入支援を伴う脳機能トレーニングは、ASD者のレジリエンス、特にソーシャルサポートを上げ不安ストレス脳波を減弱させることで効率的な脳機能発揮に効果を示したと考えられた。今後はこの結果から総合的に考察を深め、自閉症スペクトラムをはじめとする発達障害者への教育的介入支援に関する提言を作成していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度はコロナ禍により対面での実験が不可能となったが、2021年度になり、感染症対策を講じた上で徐々にデータ採取を再開している。2022年度も後半になり新規データ採取が可能になったが、全体の研究進捗としてはやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで蓄積した研究データの解析からは、継続的な脳機能トレーニングを、教育的介入を行いながら継続することは、脳機能改善のみならず、ASD者のレジリエンス向上に効果的であることが示唆される。今年度は最終年度であるため、これまでのデータを総合的に解析し、考察を進める予定である。 可能であれば、すでにデータ採取したASD被験者に対し、再度脳機能およびレジリエンス質問紙による測定を行い、教育的介入支援による効果の長期持続につい ても検討していきたい。さらに、二次障害の有無や危険性についても他の質問紙を追加することで検討してきたいと考える。一方で、データを集約しまとめていき、学会発表を含め、社会に広く結果を周知していきたいと考える。
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Causes of Carryover |
研究遂行者(学生アルバイト)のCovid19感染により、予定していたアルバイト代の支払いが中止されたため。次年度アルバイト代として使用する予定である。
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Research Products
(9 results)