2023 Fiscal Year Research-status Report
仮名文字列の音読の流暢性を予測する幼児期における評価方法の検討
Project/Area Number |
20K03015
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
齊藤 真善 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50344544)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 仮名文字列 / 音読 / 流暢性 / 視空間注意 / 眼球運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、札幌市教育員会との連携のもと、市立幼稚園に在籍する年長児(全家庭)を対象に研究協力の募集を行った。8名の応募があった。8名中2名に発達障害の診断を有する者がいた。令和5年10月~令和6年度1月の期間、年長児が在籍する園内の部屋において心理検査を実施した。1回当たりの心理検査実施時間は、年長児の集中力を考慮し30分以内とした。全年長児は、2回以内で心理検査を完了した。 実施した心理検査は、(1)音読流暢性検査:音韻削除課題と音韻逆唱課題、(2)PVT(絵画語い発達検査)、(3)JPAN感覚処理・行為機能検査の「指あてゲーム」(ボディイメージ)と「ヨットでピタ!」(リーチング運動)、(4)フロスティッグ視知覚発達検査の「Ⅳ:空間における位置」と「Ⅴ:空間関係」、(5)読み書きスクリーニング検査(STRAW-R)の「RAN(Rapid Automatized Naming)」、(6)リズムパタンマッチング課題(ドットパタン→音声リズムパタンの照合)の6種類、全9課題であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画当初は、北海道芽室町をフィールドにする予定であったが、コロナの影響により研究開始が大幅に遅れることになった。研究フィールドの変更の必要性が生じたため、コロナ収束後、令和5年度より札幌市教育委員会の研究協力を得て、心理検査の実施を開始したが、当初の予定よりも3年遅れるている状態である。 なお、令和5年度の心理検査開始に先立ち、令和4年度中に、札幌市教育委員会の協力のもと、札幌市立幼稚園長会ならびに札幌市立小学校校長会に対して、研究計画書をもとに説明会を開催し、本研究の社会的意義について説明を行った結果、研究協力の同意を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、①令和5年度の研究協力児の小学1年生時の心理検査実施(令和5年度に年長児だった児の入学後の心理検査の実施)、②令和6年度における年長児の研究協力募集と心理検査の実施を予定している。 小学校1年生時の心理検査は、(1)音読流暢性検査:音韻削除課題と音韻逆唱課題、(2)PVT(絵画語い発達検査)、(3)JPAN感覚処理・行為機能検査の「指あてゲーム」(ボディイメージ)と「ヨットでピタ!」(リーチング運動)、(4)フロスティッグ視知覚発達検査の「Ⅳ:空間における位置」と「Ⅴ:空間関係」、(5)読み書きスクリーニング検査(STRAW-R)の「RAN(Rapid Automatized Naming)」、(6)リズムパタンマッチング課題(ドットパタン→音声リズムパタンの照合)に加えて、(7)STRAW-Rの「流暢性(単語:ひらがなと非単語:ひらがな)」ならびに音読中の眼球運動の計測を行う予定である。眼球運動の計測は、刺激図版をPC画面に提示した上で、Tobii pro nano(トビー・テクノロジー社)で行う。
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Causes of Carryover |
当初、北海道芽室町を研究フィールドにする予定であったため、交通費及び宿泊費を予算として申請していたが、コロナの影響により、研究フィールドを札幌市に変更したため、宿泊費が発生せず、また交通費の支出も大幅に減額となっている。 次年度は、本研究の中間発表を行うための学会発表にかかる旅費、および研究協力者が札幌市外に転居した場合に実験者が検査を行うのに必要な交通費や宿泊費として使用する予定である。
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