2021 Fiscal Year Research-status Report
知的障害児における教科学習による交流及び共同学習の実践プログラム開発
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20K03019
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
霜田 浩信 群馬大学, 教育学部, 教授 (80364735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 素子 群馬大学, 教育学部, 准教授 (60452918)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 交流及び共同学習 / 知的障害 / 教科学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.教科の学習による交流及び共同学習としての授業づくり過程の分析 群馬大学教育学部附属特別支援学校における「共同学習の側面に焦点を当てた交流及び共同学習」の6年間の実践を対象として授業づくりの過程を分析した。単元名や授業形態といった授業の諸要素に着目し、その6年間における実践の変遷をもたらした要素は何かを考察した。その結果、両校で共創すること、ある程度長期間で単元を計画し継続を図ることなど、共同学習の側面に焦点を当てた交流及び共同学習を実践する上での普遍的要素を具体的に見出すことができた。 2.学習評価と授業改善の分析 交流及び共同学習において互いに学び合うといった共同学習の側面を促す授業づくりについて、先行研究や研究協力者等による実践を通して検討した結果、①目標設定とその柔軟性、目標の共有化、②みんなが参加できる学習活動の設定、③個の実態に応じた、選べる手だての設定 ④個々の評価設定といった4つの視点が重要であることが見いだされた。そのなかでも、知的障害児童が教科学習での参加をするには、支援方法や教材教具の調整だけではなく、教育目標の修正も必要であり、特に国語等の系統性の高い教科でどのようにその修正をするかは、交流及び共同学習の進展において重要な課題であると考え、これまでの実践から知的障害児童に対する教育目標の修正の実際をもとに、交流を通して教科の学習到達を目指すことの可能性について検討した。また、障害のある児童等における学習場面での困難さを予測するためには、児童等が抱える特性を知ることが重要と考え、児童における課題や活動を遂行するプロセスを「情報の入力・キャッチ」「思考・判断・記憶」「行動」「振り返り・修正」の4つによって整理し、そのプロセスにおける障害のある児童等が示しやすい困難さを見いだし、授業づくりの際の児童の実態把握と支援を考案するための資料として検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、実践研究を行うべき機会の確保が当初の計画に比べ限定的になった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度実施した教科の学習による交流及び共同学習としての授業づくり過程の分析に基づいて、授業実践を行い検討することを計画する。具体的には、教科学 習における交流及び共同学習の授業構想における目標設定・活動と手だての設定、さらには評価の具体的な方法について検討し、その効果に基づいて授業改善の 視点を見いだす。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、実践研究を行うべき学校現場において、交流及び共同学習の実践の機会が限定されたため。
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Research Products
(4 results)