2020 Fiscal Year Research-status Report
校舎内の病弱・身体虚弱特別支援学級担当教員の専門性向上のためのプログラム開発
Project/Area Number |
20K03027
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
平賀 健太郎 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30379325)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 病弱教育 / 校舎内 / 病弱・身体虚弱特別支援学級 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、校舎内の病弱・身体虚弱特別支援学級担任の専門性を高めるプログラムの開発とその検証を行うことを目的としている。2020年度の研究では、校舎内の病弱・身体虚弱特別支援学級担任を対象として、教育実践における現状と課題に関する内容について半構造化面接(一部アンケート調査)を行った。面接調査についてはすべて、オンライン上で行った。 対象は、小・中学校内の病弱・身体虚弱特別支援学級の担任およびその経験を有する9名であった。教育を行ううえでの不安や困難さについては多様な内容が報告された。代表的な内容として病気の管理について、集団活動の経験が少なくそれに慣れるための配慮について、新型コロナを含む感染症への配慮について、リモート授業への対応について、特定の教科指導の困難さについて、保護者の希望に寄り添う程度の判断について、学校内での病弱教育への理解の不十分さについて、教員自身のメンタルヘルスの維持の困難さについてが挙げられた。それぞれへの対処方法については個別性が高く、各ケースの子どもの実態や学校の状況、および個々の教員の教育観や経験によってさまざまであった。 不安や困難さに関する報告の一方で、ポジティブな内容に関する言及も多数認められ、病弱・身体虚弱学級に在籍することで、本来持っている力を引き出し伸ばすことが可能である、子どもが自分のことを待ってくれている感覚が得られる、健康な子供が享受している学校での楽しい経験を提供することができているなどの内容が報告された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査依頼をした際に、コロナ禍の影響を受けて、想定していた十分な教育活動を行うことができていないこと等を理由に調査協力を拒否されることが頻回に生じ、調査時期が遅くなったものの、研究代表者が過去の教育・研究活動の中で構築してきた各教育委員会や学校とのネットワークを活用しながら調査依頼数を増やしながら調査を進展させた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は2020年度の結果を踏まえ、課題を改善するアイデアを得るために、従来の病院内での教育や各教科等で蓄積されてきた専門性が、校舎内の病弱・身体虚弱特別支援学級にどのように応用できるかについて検証する。その後は校舎内の病弱・身体虚弱特別支援学級の担任向けの研修を実施し、その効果や課題を検証したうえで専門性向上のための研修プログラムの構築を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響を受け、予定していた旅費の支出がなくなった。またデータ入力は研究代表者が行い謝金が発生しなかった。次年度は状況に応じながら、オンラインでのインタビュー調査を行うための環境も構築していく。
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