2021 Fiscal Year Research-status Report
校舎内の病弱・身体虚弱特別支援学級担当教員の専門性向上のためのプログラム開発
Project/Area Number |
20K03027
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
平賀 健太郎 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30379325)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 病弱教育 / 校舎内 / 病弱・身体虚弱特別支援学級 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、校舎内の病弱・身体虚弱特別支援学級担任の専門性を高めるプログラムの開発とその検証を行うことを目的としている。2021年度の研究では、まず、校舎内の病弱・身体虚弱特別支援学級を担当する8名の教員を対象としたインタビュー内容をもとに、「病弱教育における教科指導の特徴」を整理した。次に、一般の教科教育の専門家にインタビューを行い、それぞれの専門性に基づくアイデアやノウハウを聴き取り、病弱教育への応用可能性を検討した。対象は、国語、算数・数学、理科、情報、体育の専門家とした。校舎内の病弱・身体虚弱特別支援学級内を利用する子どもの一般的な特徴とそこでの教科指導の特徴についての提示と説明を行い、そのうえで、校舎内の病弱・身体虚弱特別支援学級を利用する子どもへの教科指導の工夫に関する半構造化面接を行った。対象者からは、学習指導要領に即した内容や、学校教育や各教科で注目されている現代的課題などについて、専門用語を交えて具体的な内容が語られた。これらの結果から、各教科の専門性は、校舎内の病弱・身体虚弱特別支援学級への教科指導に応用できることが示唆された。各教科で固有の内容も一部認められたが、特に「当該教科を学ぶ意義について」、「子どもたちが集団で学習することの意義」、「1対1で指導することのメリット」については教科間で共通する内容が多く認められた。 今後は、校舎内の病弱・身体虚弱特別支援学級担当教員を対象とした研修を実施し、その効果の検証を行う。その内容として今年度までの成果を踏まえながら、各教員が既に獲得している教科指導の専門性の活かし方の内容を組み込み、研修効果や課題を検証していく予定である。そのうえで、教科指導を含めた校舎内の病弱・身体虚弱特別支援学級担当教員の専門性を向上させるために有効な研修プログラムの構築を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビュー実施を予定していた時期に、コロナ禍の影響を受け、当初想定していた対面でのインタビューを行うことが困難となったが、オンラインに変更したうえで調査を進展させた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は過去の研究成果を踏まえ、校舎内の病弱・身体虚弱特別支援学級の担任向けの研修を実施し、その効果や課題を検証したうえで専門性向上のための研修プログラムの構築を行う予定である。その内容として、校舎内の病弱・身体虚弱特別支援学級の教員間の連携を促進していく体制や、担当する教員が自らの教育実践にフィードバックを受けられる仕組みづくりを組み込んでいくことを予定している。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響を受け、予定していた旅費の支出がなくなった。またデータ入力は研究代表者が行い謝金が発生しなかった。次年度は状況に応じながら、オンラインでの研修会を行うための環境も整備していく。
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