2022 Fiscal Year Research-status Report
Longitudinal Developmental Assessment of Wrist and Finger Joint Position Sensation in Typical Developmental Children and Children with Developmental Dyslexia
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20K03030
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
糸数 昌史 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (00611683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田部 夏子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (20406242)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 関節位置覚 / 発達性ディスレクシア / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主たる目的は、健常発達児および書字困難児の書字動作に関係する関節位置覚の発達変化を明らかにすること。および、書字困難と関節位置感覚の関係を導き出し、書字に困難さをもつ者への指導・治療方法の開発の一助とすることである。 今年度は研究協力施設において、縦断評価2年目の計測を行い、20名の児童(平均年齢11.3歳)を対象に赤外線センサを用いた関節位置感覚の評価を行った。対象児はすべて発達性ディスレクシアの症状を有しており、ほとんどの者が他の発達障害(自閉スペクトラム症、学習障害、注意欠如・多動症、発達性協調運動障害) の特性を合併していた。昨年度同様に新型コロナウィルスの蔓延に伴って研究協力施設への立ち入りが制限されたため、これ以上のデータ収集は次年度以降に持ち越しとなった。 発達性ディスレクシアを呈する書字に関連する関節覚の縦断データが得られたため、現在はそれらを解析中であるが、定型発達児と比べて、関節覚の成熟過程が異なる可能性を示すデータを確認できた。今回計測している関節覚は4つの関節運動(手関節背屈-掌屈、前腕回外-回内)であり、定型発達児と発達性ディスレクシアの症状を有する児の間でそれぞれの傾向を比較すると、関節運動によってはほぼ同程度の結果を示す関節運動を示すものもあり、今後評価に用いる関節運動の絞り込みにつながる可能性がある。 加えて、計測システムのアップデートを行い、計測センサの誤作動による計測精度の低下と計測時間の延長を解決することに成功しており、次年度以降のスムースな計測につながると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス蔓延の影響により、対象者のリクルートおよびデータ収集が十分にできていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス蔓延により研究フィールドへの出入りが制限され、研究の遅れが生じている。具体的には、実施予定であった定型発達児のデータ収集が十分なサンプルサイズを満たしておらず、当初に計画していた縦断的な発達段階を観察するという目的の達成が困難となっている。研究協力施設と連携して研究再開と継続の方策について検討を進めるが、新たな研究フィールドの開拓および研究計画の一部変更も前提に研究を推進していく。一方で、外来でフォローしている書字困難児の縦断データはサンプルサイズが少ないながらも比較的順調に収集できており、本年度も継続的な計測およびフォローを実施する予定である。本研究では、令和2年度~令和4年度までの縦断的な変化を追うことが主たる目的となっているため、研究期間の延長なども視野に入れながら、引き続き研究を継続する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの蔓延に伴い、開催予定であった学会が中止またはオンライン開催となり、計上していた旅費を使用することがなかった。また、同理由によ りデータ収集は研究代表者のみが実施することで計測助手の謝礼等も不要となった。
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Research Products
(2 results)