• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Research-status Report

発達性ディスレクシア児の読み上げ効果を評価するタブレット用アプリの開発

Research Project

Project/Area Number 20K03042
Research InstitutionGifu University

Principal Investigator

村瀬 忍 (廣嶌忍)  岐阜大学, 教育学部, 教授 (40262745)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords読み書き困難 / アセスメント / 読み上げ / 視覚提示 / 聴覚提示
Outline of Annual Research Achievements

読み書きに困難さのない大学生15名および読み書きに困難さのある中高生6名を対象に、文章が文字で提示される課題(視覚提示課題)、文章が音声で提示される課題(聴覚提示課題)、文章が文字と音声との両方で提示される課題(同時提示課題)を実施してもらい、課題の正答率を比較した。課題は日本語の簡単な文章で、文章の提示はPCを用いて行った。対象者にはまず命題文を提示され、次に命題文の正誤を問う問題文が提示された。対象者はパソコンのキーボードを使って質問文が命題文の内容と合っているかどうかを解答した。命題文の種類は、2文で構成された2命題文と、3文で構成された3命題文で、視覚提示、聴覚提示、同時提示のそれぞれで6課題ずつ、合計18課題であった。質問文は1課題について7問用意した。
大学生の正答率について2要因(命題数X提示方法)の分散分析を実施した結果、要因の主効果も交互作用も認められなかった。大学生においては、命題数と提示方法が文章の理解度に影響するという結果は得られなかった。次に大学生の標準得点を算出し、読み書きに困難さのある中高生の結果と比較した。その結果、聴覚提示が視覚提示に比較して正答率が低かった対象者が4名認められた。視覚提示が聴覚提示に比較して正答率が低かった対象者はいなかった。また、視覚と聴覚との同時提示の正答率が、聴覚あるいは視覚提示より高かった対象者は1名だけであった。
これらの結果から、今回のような課題を用いることで、文字を聞いて理解することと、読んで理解することの、どちらが得意であるのか、及び、2つの提示方法を同時に提示することが理解の助けになるのかについて、対象者の特性を把握できることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究課題は、PCとキーボードではなく、タブレット端末を用いたアセスメントを開発することが目的である。今年度は、アセスメントとして用いる課題を試験的にPCを用いて作成し、課題が適切であるかどうかを検証した。このためには、ディスレクシアと考えられる児童生徒を対象とした実験が必要であった。しかし、本実験では学習場面に困難さが認められるものの、ディスレクシアと認められる児童生徒を対象としたデータを収集することができなかった。新型コロナウィルスの感染拡大が影響して、対象者を集めることが容易でなかったことが原因である。

Strategy for Future Research Activity

タブレット端末を利用したアセスメントアプリの開発が目的であることから、今後は課題の適切性の検証を待たずに、アプリの開発を始める。その際、当初は予定をしていなかったが、アプリ上で課題を変更できるような仕組みを作り、アプリを作成した後でも必要に応じて課題の変更を行えるようにする。また、人との接触が限定される中で、簡単な指示があれば、子どもが端末を自分で操作すればアセスメントが終了するようなアプリとする。
このように、操作が簡単で、自動的に課題が進むアセスメントアプリを開発することで、教育現場の協力を得て、データを収集できるようにする。

Causes of Carryover

本年度は新型コロナウィルスの感染拡大のため、2つの理由で次年度使用額が生じた。第一の理由は、対象者が充分に集められず、アプリ開発の前段階であるアセスメント課題の検証に滞りが生じたため、アプリ作成ができなかったことである。これは、次年度にアプリを開発する費用、人件費など使用する。
第二の理由は、移動が制限され、調査や情報収集等が実施できなったことから、旅費等が利用できなかったことである。次年度は、学会などもオンラインで開催され、情報交換や情報収集をオンラインで行える準備が整い情報収集に使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 読み上げの効果を評価する検査の開発に向けての予備調査2020

    • Author(s)
      村瀬忍、安谷明莉、林田宏一、神山典子
    • Journal Title

      発達障害支援システム学研究

      Volume: 19(1) Pages: 77-81

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi