2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of orientation & mobility program based on spatial cognitive ability for congenitally blind children
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20K03047
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
丹所 忍 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (70780865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三科 聡子 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (20804082)
門脇 弘樹 山口学芸大学, 教育学部, 講師 (40868569)
韓 星民 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (60643476)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 先天性視覚障害児 / 視覚特別支援学校 / 歩行指導 / 外部専門家 / 連携・協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、先天性視覚障害幼児児童生徒を対象とした歩行指導プログラムを開発し、提案することである。日本には、重複障害を含めた先天性視覚障害幼児児童に対する発達段階に応じた歩行指導プログラムが存在しない。また、視覚特別支援学校では、歩行指導に関する専門性の高い教員が不足していることが課題となっている。本研究は、こうした課題の改善策を検討し、教育の場において一助となるよう4年間で遂行するものである。 2021年度は、1)先天性視覚障害乳幼児の発達、特に運動発達と空間の理解について、指導実践事例に基づき整理すること、2)海外(米国)における重複障害のある先天性視覚障害児への歩行指導実践研究を収集して整理すること、3)日本の盲学校と外部専門家(歩行訓練士)が連携・協働して行う歩行指導に関する事例収集とオンライン面接調査を実施すること、を実施し、一定の成果を得ることができた。あわせて、全国盲学校を対象とした歩行指導に関する質問紙調査の実施に向けて文献収集と調査項目の検討などの準備を行った。 現在、3)「面接調査」の結果を分析しているところであるが、現時点では連携・協働した歩行指導により以下のような成果と課題があることがわかった。まず、盲学校と外部専門家(歩行訓練士)が連携・協働して歩行指導を行うことにより、盲学校の教員の歩行指導に対する認識が向上し、専門性が向上するという成果がみられた。しかしながら、重複障害児童生徒や幼児に対する歩行指導については、外部専門家(歩行訓練士)であっても、専門書等が少なく指導経験もないことから、指導・助言に苦慮しているという課題があった。今後、詳細に分析を進め、投稿論文としてまとめていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究全体としてはやや遅れているが、2021年度は、コロナの影響が続くことを考慮して、研究計画を見直したりオンラインによる方法に変更したりしたことにより一定の進捗があったと捉えている。具体的には、1)オンライン面接調査を実施して事例収集したこと、2)全国盲学校を対象とした質問紙調査の実施に向け、資料収集と準備が完了したことが挙げられる。他にも、先天性視覚障害乳幼児の発達に関するオンライン学習会を定期的に行ったり、研究分担者各自が海外の文献をオンラインで収集したりしており、現況で可能な事柄を着実に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、主に、1)全国盲学校を対象とした質問紙調査の実施、2)海外文献の翻訳と分析を行う予定である。1)については、全国盲学校長会に協力依頼をして、協力を得やすい方法等を相談しながら進めていく。また、調査実施にかかる作業等については、アルバイトを雇用することで、効率化をはかりたい。2)については、研究分担者で分担して各自進めていく予定であるが、定期ミーティングを行い、進捗を確認しながら進めていく。 これまでも、定期的なオンラインミーティングを持ち、進捗等を確認しつつ進めてきたが、今後は対面での学会等も開催されることが予想されるため、そうした学会等を対面ミーティング実施の機会とすることも検討していきたい。 今後、研究のまとめの時期に入っていくため、今年度中に、収集した調査データを分析して結果をまとめ、学会等で発表を行って関係領域の専門家からの示唆を得るとともに、投稿論文の準備をしていく。また、研究全体の遂行に関わって、関係領域研究者に指導・助言等を求めるなどして、適切かつ効率的に研究全体を推進していくようにしたい。
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Causes of Carryover |
世界的なコロナ感染拡大により、海外出張や国内出張が不可能となった影響が大きい。具体的には、発表予定であった国際会議が延期されオンライン開催に変更されたことによる参加費の減額と旅費の未使用、米国での視覚障害関連施設の視察や情報・資料収集が行えなかったことによる旅費、謝金、及び資料収集にかかる諸経費が未使用であることが挙げられる。また、国内でも同様に、学会がオンライン開催になったこと、盲学校の視察・情報収集が行えなかったこと、会議・打ち合わせをオンラインで行わざるを得なかったことが挙げられる。 今後も、コロナの影響により、国内外の移動に制限が生じると考えられる。一方で、国内の学会等は対面でも行われる計画もあったり、盲学校等の参観等が可能となったりすることも想定されることから、必要に応じて学会参加費や旅費等を使用していくことになる。
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Research Products
(6 results)