2020 Fiscal Year Research-status Report
見落とされやすいLD「読解障害」には正しい教育支援が提供されているか?
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20K03057
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
島川 修一 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40465620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 美保 大阪医科大学, 医学部, 特別職務担当教員(助教) (70782241)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 読解障害 / 読字障害 / ディスレクシア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、知的水準に低下がなく、読みの中核の問題である読字障害・ディスレクシアでない、読解困難をきたしている児童に認知機能特性の分析(病態解析)を行い、適切な教育支援を提供することを目的とする。今年度は、まず、読字障害・ディスレクシアのない読解障害の頻度調査をおこなった。 学習困難を主訴に大阪医科大学LDセンターに来所した知的障害のない児童186名を対象とした。読解障害の診断は、大阪医科大学LDセンターで開発した包括的領域別読み能力検査(CARD)を用い、文章を読んだ後、設問に回答させ、その正答率が基準値以下のものとした。 結果、読字障害・ディスレクシアと診断されたものは116名で学習困難児の62.4%であった。また、読字障害・ディスレクシアと診断されたものの中で、読解障害と診断された児童は72.4%、読字障害・ディスレクシアと診断されなかった児童で読解障害と診断されたものは、42名で読字障害・ディスレクシアと診断されなかった児童の60%であった。 読字障害・ディスレクシアと診断された児とされなかった児とで、頻度に差がみられず、読字障害・ディスレクシアでなくとも、発症頻度が高いことがわかった。 今後、この対象者に認知機能検査を施行して、読字障害の病態分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で対象者に研究をおこなっている施設に来所いただきにくくなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の対象者を抽出できたため、対象者に認知機能検査を行い、病態解析をすすめる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で研究対象者に研究施設に来所いただくことが困難となっており、対象者への謝金とデータ分析をおこなうバイトの賃金の支出、学会旅費が実質なかったため。次年度は、感染対策を行い、研究対象に研究施設に来所いただき、読字困難の認知機能分析の基礎データとなるデータ収集をおこない、謝金とデータ分析をおこなうバイトの賃金の支出に研究費を使用する予定である。
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