2021 Fiscal Year Research-status Report
病棟保育における保育プロセスの質評価スケールと保育実践の手引きの作成
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20K03058
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
谷川 弘治 神戸松蔭女子学院大学, 教育学部, 教授 (80279364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 典子 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 講師 (00620444)
吾田 富士子 藤女子大学, 人間生活学部, 教授 (10310111)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 医療保育 / 病棟保育 / 保育実践の質保障 / プロセス評価 / 幼児期 / 入院児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の研究課題は,(課題A)作成済みの「病棟保育の対話の質判定システムと技分類」のブラッシュアップ,(課題B)病棟保育用の総合的な保育プロセスの質評価スケール(幼児版)の作成,(課題C)病棟保育用の保育実践の手引きの作成の3点である。Covid-19感染症拡大の影響を受け医療機関の研究協力を得にくい状況下で,目的に向かって実行可能な方法を工夫するよう努めてきた。 2021年度の研究成果はつぎの通りである。(課題A)及び(課題B)について,2020年度に行ったプロセス評価システムの理論的なブラッシュアップをさらに進め,第25回日本医療保育学会総会・学術集会(2021年6月)基調講演にて成果を発表した。その後「病棟保育実践のプロセス評価表(ver3)」(紙面記録版とエクセル版)及び「病棟保育実践のプロセス評価表 解説」(pdf版,動画)を作成,「プロセス評価表セット(ver3)」とした。「プロセス評価表セット(ver3)」について,数名の専門家の意見聴取を行い,プロセス評価表は「子どもと保育士のあゆみ(病棟保育ポートフォリオ)」(紙面記録版)として再構成,「子どもと保育士のあゆみ(病棟保育ポートフォリオ)解説」(pdf版)へと更新した(以上を病棟保育実践のプロセス評価表セットver4とする)。この改善により,保育士にとってプロセス評価はどう役立つのか,保育士は何をすれば良いのかなどが,より把握しやすくなり,使用への動機づけを高めることができると期待している。 今後,病棟保育士を対象に病棟保育実践のプロセス評価表セットver4の使用感調査を行い,完成をめざしていく。その上で,解説書の内容を軸に,(課題C)の実践の手引きの作成に着手していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19の影響で,医療機関の協力を得ることが難しい状況が続いてきた。その中でも実施可能な方法を工夫することで,プロセス評価表セットを作成し,現段階でver4に更新することができた。プロセス評価表セットの使用感調査は本来開始していることが望ましいが,2022年度前半に調査を開始できるところまで作業を行えた点で「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)病棟保育士を対象とするプロセス評価表セット(ver4)の使用感調査を行い,病棟保育のプロセス評価表と解説書を確定させる。プロセス評価表セット(ver3)については研究代表者の所属大学に設置されている倫理審査委員会の審査を受け,承認されている。ver4については変更申請を行うことで,比較的スムーズに実施に向かえると考えている。この作業は,直接には(課題B)に対応する。 (2)(課題C)の「実践の手引き」は「病棟保育ポートフォリオ解説」をもとにアウトラインを作成する。この作業は使用感調査と並行して実施し,調査結果を受けて更新する。このアウトラインをもとに,完成に向けて作業を進める。 (3)(課題A)の「病棟保育の対話の質判定システムと技分類」を更新するために,当初は病棟保育士の協力を得て病棟保育の実践記録の収集を行う予定であったが,Covid-19感染拡大の影響を受け遂行が困難であった。同様に病棟保育士の協力を要するものとして(1)に示す使用感調査に力点を置く必要があるため,計画を変更し,この間に発表された実践記録などの分析,使用感調査の結果を活かしていくこととする。
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Causes of Carryover |
Covid-19の影響で,対面での会議,対面での研究協力依頼などができない状況にあったため,当初の予算どおりには使用できなかった。会議は遠隔で実施し,研究課題も手順を変更するなどして,研究課題遂行への影響を最小限としてきた。令和4年度は,Covid-19の感染状況をみながら,医療機関の研究協力を得て使用感調査を行う,プロセス評価表と解説書,保育の手引きなどを作成することで,予算を適切に使用していきたい。
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Research Products
(2 results)