2022 Fiscal Year Annual Research Report
電子デバイスを用いた正確なバイタルサイン測定の実践能力獲得に向けた技術教育革変
Project/Area Number |
20K03069
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
渡邉 惠 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (40719499)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血圧測定 / 正確な測定 / 実践能力 / 看護基礎教育 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、バイタルサイン測定の中でも最も複雑な手技を要する血圧測定に焦点をあてた。正確な血圧測定の実践能力習得にむけ、基礎看護学を学ぶ1~2年次生を対象に各種電子血圧計の教育を積極的に導入した「状況基盤型教育プログラム」を開発した。本研究ではA大学看護学科2年次生を対象にRCTによりその効果を検証した。 研究1では、患者の多様な身体状況や煩雑な病室環境等、実際の臨床現場に近い環境の中で正確な血圧測定の実践能力の習得を目指す「状況基盤型教育プログラム」を考案した。パイロットスタディによりその主要評価指標となるVSAM チェックリスト(15 項目)の妥当性・信頼性が確保され、開発した教育プログラムの実現可能性が確認できた。 研究2では、「状況基盤型教育プログラム」の効果をRCTにより検証した。その結果、VSAMチェックリストのうち、測定方法の説明や安楽の保持など、患者への対応力を示す4項目で介入の効果が認められた。 また、本教育プログラムを受けた学生の状況対応能力自己評価得点は両群に有意差はなかった。しかし、8項目で両群に教育前後の得点の有意な上昇がみられ、両群の学生の自己評価の高さがうかがえた。 以上の結果から、基礎看護学を学ぶ低学年(2年次生)を対象とした状況基盤型教育プログラムは、患者の多様な状況に対応しながら測定できる実践能力やその必要性の習得に役立ち、教育の効果を検証できたと考える。 臨床現場の状況を基盤とした教育は、患者への対応力を高める効果があり、看護基礎教育において効果的な教育手段となり得る。今後は教育プログラムのさらなる洗練と学生のレディネスに合わせた継続教育の実現が課題である。引き続き実証研究を重ねるため、研究計画を検討している。
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Remarks |
看護教員のつぶやきno.5 時代に合わせた技術教育方法の見直しを 血圧測定に焦点をあてて .看護教育(医学書院),2023年2月号,64巻1号,50-53.
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Research Products
(2 results)