2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K03085
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 宏 長野工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (30179246)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小学生教育 / アルゴリズム教育 / 情報処理 / 出前授業 / プログラム的思考 |
Outline of Annual Research Achievements |
小学生が、コンピュータについての概念を学び、ゲーム感覚でアルゴリズムを勉強でき、プログラミング的思考が身に付けられるシステムとして、迷路画面上のキャラクターを机上で動かし、スタートからゴールまで動くようなアルゴリズムを考え、キャラクターの進み方に対応した動きをシールや絵によりプログラムとして紙に描き、学校などでマイコンを用いて画像解析を行いLED表示などによりキャラクターを自動で動かす独自のシステムを考えた。 令和元年度に試作したLED表示機器を、令和2年度改良してドットマトリックス型にした。令和3年度は、ドライバーモジュールを用いて配線が少なく制御ソフトも簡単になった。また、LED表示とドットマトリックス表示の両方が同じ回路で実現でき、処理を行うためのソフトウェアもまったく同じものが使用できる。さらに令和3年度は、ソフトウェア版を製作し、LEDなどのハードウェアが一切必要なく,ソフトウェアのみで実現でき、タッチスクリーンディスプレイを使用し、専用のケースに入れることで持ち運びできる小型化にすることができ、低学年児童にも扱いやすいシステムとなった. 研究実施計画では、令和3年度に実際の授業を行いながら改良することになっていたが、コロナ禍のため実際に低学年児童にシステムを使ってもらう出前授業ができなかった。そのため、難易度や操作性などが実際のところ分かっていない。令和4年度は出前授業を実際に行って低学年児童に使用してもらい改良点を見つけていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画では、マイコンボードを含むシステムを一つの箱に収める教材を製作し、実際に使用して改善点や課題を見つけ出すことであった。しかし、実際の出前授業ができず、小学校低学年の意見が聞けず改善点などが分かっていない。 システムは、ソフトウェア版とハードウェア版の2種類を製作することができた。ソフトウェア版は、ソフトウェアのみで実現できた。また、タッチスクリーンディスプレイを使用し、専用のケースに入れることで持ち運びできる小型化にすることができ、低学年児童にも扱いやすいシステムとなった.ハードウェア版は、LED表示は一つの箱に収まるシステムとして構築し、またドライバーモジュールを用いることで、配線が少なく制御ソフトも簡単になった。また、LED表示とドットマトリックス表示の両方が同じ回路で実現でき、処理を行うためのソフトウェアもまったく同じものが使用できる。 3年間の研究実施計画から考えて、2年目の進捗状況は2種類のシステムが完成しており、概ね順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、令和3年度製作したソフトウェア版とハードウェア版の問題点 ① 両システムともに迷路数が少なく、また難易度の差がない。障害物を多くしたり、穴を飛び越えたりする迷路作成が必要である。② 画像解析において、白い紙と黄色いシールの境目が不明瞭となりやすく円の識別に失敗する場合が多くある。を解決し、さらに簡単に持ち運べてるように改良する。迷路の難易度を変化させることで,より興味を持ってプログラム的思考が育成できるように考える.その上で数台同じ機器を製作する。2種のシステムを実際に出前授業や公開講座で小学生に使って頂き、その結果から改良点を見つけ、システムを改善していく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が211,562円とあるが、令和4年3月末に物品費としてマイコンボードセットを複数台購入したため、実際の令和4年度使用額が0円となっている。 令和4年度分については、製作したソフトウェア版とハードウェア版の問題点を解決するシステム改善のための物品費および複数台の教材を製作する物品費と作成補助の人件費として使用する。また、実際に出前授業を行うための旅費と実習補助学生の人件費と旅費に充てる。
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Remarks |
鈴木宏,下平紗代,本庄瑠奈,中林暉裕,根岸功輔:低学年児童向けアルゴリズム学習用教材の試作,長野工業高等専門学校紀要第55号,2-1,(2021.6),1-4
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