2023 Fiscal Year Research-status Report
「地域への目覚め」を介した日本型複言語・複文化教育モデルと複文化教育交流実験検証
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20K03090
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
熊野 真規子 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (50215026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 梓 近畿大学, 法学部, 准教授 (90713636)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 複言語・複文化教育 / 学習活動デザイン / 地域志向科目 / 文化変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、本プロジェクト当初より計画されコロナ禍で先延ばしになってきた「地域のことば」を核心に据えた対面交流プログラム(弘前大学ホストの交流実験・9月)の全体構想をデザインした。2日間の交流実験では、継続中の調査に加え、半日~1日の一般市民参加の講演と市民を交えたグループワーク(1日目「地域のことばとお菓子からフランスの地方を知ろう!」)、「方言」が鍵となる映画をめぐる市民を交えたグループディスカッション(2日目)を通じて、地元市民が参加することによる学生の学び・気づきの比較調査を新たに試み、連携協力研究者によってグループごとの参与観察、学びを深化させるためのトークセッションを行ったほか(2日目「フランスと日本の地域語をめぐって」)、参加学生を対象にふりかえりアンケートを実施、分析のためのデータを得ることができた。また、初日グループワークの成果公開として2週間のパネル展示(「ことばとお菓子の地域文化―フランスの地方とわたしの地方―」)も試み、インプットとアウトプットの組合せによる学び、展示見学者数とそのリアクションについても予備的調査を行った。 3月には交流実験プログラム概要と分析結果概要の発表を行い、2024年度の総括に向けて追跡調査(インタビュー)を継続中である。3月末に定年退職を迎えたが2022年度始めにリニューアル・移設したWEBサイト(https://hirofrench.com/)は今後も継続し、「地域言語・地域文化」のページにて弘前での交流実験概要等を掲載している。 分担者・高橋は2023年度の動詞的教養教育ワークショップの成果に基づき、個人が複数の文化を精神に統合する仕組みの研究に着手し、その一環として主に国際文化学的観点から動詞的文化を主題とするシンポジウムを企画した(国際文化学シンポジウム「死者の国際文化学」、近畿大学、2024年2月)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による初年度予備調査中止による遅れから、2回目の本調査が当初計画では全体総括に充てる予定だった最終年度=2023年度の実施になり、ほぼ一年遅れで進行している。そのため、2024年度までの一年の延長を申請し、承認された。 なお、報告年度については修正計画通りに実施することができ、継続中の追跡調査(インタビュー)以外は、最終年度のまとめ(学会報告、シンポジウム等)に向けてのデータを得ることができている。 分担者・高橋は2023年度に方言研究に着手する予定であったが、個人の精神における文化的統合のプロセスを解き明かす課題に専念し、主として文学テクストを参照した理論研究を継続中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度、代表者・熊野は、基盤となる継続課題を実施する研究班(A)〔授業プログラムデザイン「地域と世界をつなぐ」:学びと気づきの深化を促すデザイン〕および研究班(B)〔「地域への目覚め活動」と日本型複言語・複文化教育の手法〕において、実施済みの2回の本調査をつうじて得たデータを基に追跡調査(インタビュー)と課題全体の総括を行い、学会および研究協力者らと共に企画するシンポジウム(一般公開)で報告する。 また、前課題研究(15K12904「社会実験的アプローチによる地方都市の複言語・複文化教育モデル構築と地域活性化検証」挑戦的萌芽)と本課題研究の知見を組み合わせた実践研究の準備に着手し、総括に際してより具体的な展望を明らかできるようにしたい。 研究班(C)〔「動詞的教養教育」:関心×地域×フランス:学生の大学間交流による変容分析〕の分担者・高橋は、2023年度の複数文化の統合についての理論研究をベースに、津軽弁による方言詩を考察対象として、フランス文学との比較により両文化圏の地域主義を考察する予定である。2024年度は現在の理論研究に方言詩の問題を加え、弘前市立郷土文学館の資料、近畿大学の学生を対象とした複言語・複文化の実態調査を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による2020年度交流実験の中止、2021年度交流実験(対面)予備調査が一部オンライン実施になったことによる旅費未使用分等の残額、および交流実験(9月)参与観察者の一部(2名)にあって、予定していた旅費支給が不要となったため。未使用額は、2024年度の本課題のシンポジウム開催費および登壇者らの旅費、代表者の学会報告等の旅費に使用する計画である。 なお、分担者・高橋においては2023年度の「郷土文学における方言研究」が未実行となったため次年度使用額が生じており、2024年度において旅費・調査費(青森県弘前市)として使用する計画である。
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Remarks |
(プロジェクト概要:参加学生の成果、弘前での交流実験内容等を参照可能)
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