2021 Fiscal Year Research-status Report
小・中学生のプログラミング教育のジェンダー格差に関する研究
Project/Area Number |
20K03097
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
市原 靖士 大分大学, 教育学部, 教授 (20572837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 潤 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (40303482)
宮川 洋一 岩手大学, 教育学部, 教授 (70552610)
中原 久志 大分大学, 教育学部, 准教授 (00724204)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プログラミング教育 / ジェンダー / 中学生 / 小学生 / 男女 / 発達段階 / コンピュテーショナルシンキング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小学生・中学生のプログラミング教育におけるジェンダー格差を解消するための方略を検討することにある。令和二年度より小学校においてプログラミング教育が本実施されることとなり、中学校では、中学校技術・家庭科技術分野においてプログラミングの学習内容について双方向性のあるコンテンツに関するプログラミングなどプログラミング教育に関するものが追加された。また、今後は、高等学校において教科情報の学習指導要領が大幅に改定されプログラミングの内容が充実することとなっている。このような状況の中でプログラミング教育において男女による意識の差や興味関心の高低差があるのではないかと考え、その差の原因について究明しそれぞれに適応したカリキュラムや授業、教材などを開発することとした。2年目の本年度においては、プログラミング教育の題材、教材について、実践授業の中で男女の性差において、その学習意欲の差異や知識理解の違いなどについて検討し、実施した。小学校6年生を対象とした実践授業後の男女の差異では、学習意欲や知識理解にそれほどの違いはみられなかった。題材として、ロボットをプログラミングで動かすというものとコンピュータのモニター上でオブジェクト(キャラクターなど)をプログラミングで動かすものの2種類としたが題材による差異もみられなかった。中学校3年生においても同様の実践授業を行った。中学生では、男子生徒がロボットを動かすプログラミングに興味関心が高く、女子生徒は、どちらかというとモニター上でオブジェクトを動かすプログラミングに興味関心が高い傾向にあった。このことから、小学校6年生と中学校3年生では発達段階による違いがあり中学校での発達における様々な要因がプログラミングに対する意識等に影響を与えるのではないかということが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、計画のとおりプログラミング教育の題材、教材を数種類開発し、小学校と中学校において授業実践を行い学習意欲、興味関心、知識理解などの男女の差異について検討することができた。学会での研究発表や論文投稿も可能な範囲でできたのではないかと考える。ただし、新型コロナの影響により、小学校や中学校での授業実践の回数については制限があり当初予定していたものより縮小を余儀なくされた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度実施の研究の成果より、プログラミングに対する小学生までの男女による性差についてはないことが示唆された。よって、今後の研究としては、中学校の3年間での生徒の変容について多角的に検討することとする。また、題材による違いについて今回検討を行ったため、カリキュラムの違いや指導方法の改善を行い、性別に依存しないプログラミング教育について研究をする予定である。また、進路の意識についても調査を行いプログラマやシステムエンジニアなどプログラミングやコンピュータを仕事とすることについての理解を深める指導方法についても検討する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナのため、学会発表がオンラインによる実施のため旅費を使うことがなかったため。今年度は、その分、学会発表の参加回数を予定より増やし研究へのフィードバックをするとともに成果発表を行う予定である。
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