2020 Fiscal Year Research-status Report
Construction and Actual Usage of Support Environment for Programming Practice with Big Data in Education
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20K03098
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
伊藤 恵 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (30303324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹川 佳成 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (60467678)
平田 圭二 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (30396121)
冨永 敦子 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (60571958)
寺井 あすか 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (70422540)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プログラミング演習 / 学習尺度 / モデル化 / 可視化 / 学内ハッカソン / インタビュー調査 / 数学学習尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)教育の質的資源・量的資源の取得・分析については,授業以外でのプログラミング機会増,プロジェクト学習受講前のシステム開発体験,および,それらからの情報教育IRデータの収集を目的とし,学内プログラミングコンテスト(参加13チーム57名)および学内ハッカソン(参加15名)を実施した.また,ハッカソン参加者を対象にインタビュー調査を行い,カテゴリー分析を行った. (2)情報的な観点でのモデル化に関しては,学習する学生の持つ性質,特徴,動作などを模擬する学生モデルを構築するため,オンラインプログラミング演習への参加意欲という隠れ変数を仮定し,それが学生間のプログラムへの相互コメント付けや成績にどのように現れるかを実験観察したほか,プログラミング学習と数学学習の関連を明らかにすべく,冨永・内山(2017)のプログラミング学習尺度に対し,数学学習尺度の構築を目的とし,「知識・能力」に関する数学学習尺度の試作版を作成した. (3)モデルを活用した学習環境の構築については,公立はこだて未来大学の1年生を対象にした必修のプログラミング演習における理解度確認テスト結果および理解度確認テスト合格週推定結果に対応する成績管理アプリケーションを設計,実装,評価した.同演習で使用されてきたテスト結果管理シートは,データから単位不認定学生や浮きこぼし学生となる学生の発見が難しいなどの改善点がインタビュから得られ,これをもとに,合格週予測モデルの推定結果を用いた単位不認定学生や浮きこぼし学生を可視化する機能,年度間の結果をグラフィカルに比較できる機能,クラス全体の傾向を提示する機能などをもつ提案アプリケーションを実装した.このプロトタイプを用いて,単位不認定学生を正しく特定できるかというユーザスタディを実施し,提案アプリケーションの方がテスト結果管理シートよりも12%の検出精度が高くなる結果が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学内プログラミングコンテスト,学内ハッカソンともに継続的な実施ができており,教育の質的資源・量的資源のデータの収集方法・分析方法の見通しもたっている.モデル化については,被験者の学生5名,5週間に渡り実験を行い,毎週アンケートを実施し,実験期間中の各学生の交流,意見交換,プログラム改善,雰囲気,進め方,関わり度の変化を主観評価した.参加意欲という隠れ変数の存在と,その成績への影響が示唆された.また,高校数学を対象とし,大学での数学学習の前提となる「知識・能力」に関する数学学習尺度の試作版を作成するとともに,予備調査を実施し,一定程度の妥当性が確認された.さらに,モデルを活用した学習環境の構築の一環として,合格週予測モデルの推定結果の可視化機能をもつ成績管理アプリケーションを開発した.また,提案アプリーケーションを用いたユーザスタディを実施し,単位不認定学生の特定精度の向上が観測され,PoC(Proof of Concept)レベルにおける検証は完了した.さらに,本成果は2件の国内会議(1件は査読あり[2],1件は査読なし[1])で発表した. [1] 富樫北斗, 山本茉奈, 大西花恋, 竹川佳成, 平田圭二, ``理解度確認テストの不合格者早期発見に向けた合格週予測モデルのアプリケーションの評価,'' 情報処理学会北海道シンポジウム講演論文集, pp. 211--216 (2021年11月). [2] 山本茉奈, 富樫北斗, 大西花恋, 竹川佳成, 平田圭二, ``理解度確認テスト結果および理解度確認テスト合格週推定結果に対応する成績管理アプリケーション,'' 第7回実践的IT教育シンポジウム(rePiT2021)論文集, pp. 95--104 (2021年1月).
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Strategy for Future Research Activity |
(1)教育の質的資源・量的資源の取得・分析については,学内プログラミングコンテスト,学内ハッカソンを引き続き実施し,データ収集・分析を行う. (2)情報的な観点でモデル化することに関しては,多人数,長期間,学生間コミュニケーションを活性化するチャネルを導入し,より現実に近い状況を想定した被験者実験を実施し,より詳細な学生モデルの構築を目指すほか,数学学習尺度については,今後,本調査を実施し,得られたデータに対して分析を行い,数学学習における「知識・能力」の因子を抽出する予定である. (3)モデルを活用した学習環境の構築については,合格週予測モデルの推定結果の可視化機能をもつアプリケーションについて,主要な機能のユーザスタディは完了しているものの,そのサブ機能に関するユーザスタディは未着手である.このため,当該アプリケーションのサブ機能を評価し,アプリケーション全体としての有用性について検証する予定である.
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Causes of Carryover |
コロナ感染症により当初計画通りには進行できなかった部分があり,2020年度は可能な部分から進めた.複数年度間で進め方と予算を調整しながら,研究課題を遂行する.
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Research Products
(6 results)