2023 Fiscal Year Annual Research Report
プログラミング的思考を育むロボットが子どもの行動・社会性・認知に与える影響
Project/Area Number |
20K03103
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
油川 さゆり 玉川大学, 学術研究所, 助教 (60858281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高平 小百合 玉川大学, 教育学部, 教授 (80320779)
大森 隆司 玉川大学, 工学部, 教授 (50143384)
鈴木 美枝子 玉川大学, 教育学部, 教授 (30638218)
小酒井 正和 玉川大学, 工学部, 教授 (50337870)
小原 一仁 玉川大学, 教育学部, 教授 (20407729)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プログラミング教育 / プログラミング的思考 / グループワーク / 小学校低学年 / プログラミング活動 / 動機づけ / 社会性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、幼児と小学校低学年の児童が、一斉保育や授業内で、プログラミング的思考の育成を目的とした教育ロボット(キュベット)と関わる様子を観察・分析し、その影響と変化を3つのレベル:①行動レベル(活動時間や動機づけ);②社会性レベル(仲間との関わり);③認知レベル(プログラミング的思考)で、横断的かつ縦断的に明らかにすることである。 2023年度には、2020~2022年度に年長児~小学校2年生を対象に行ったプログラミング活動の際に得られたデータをもとに、分析を行った。学業成績がプログラミング的思考に与える影響を明らかにするため、首都圏の私立小学校の2021年度の2年生66名,2022年度の2年生62名を対象に、プログラミング的思考を意味する認知課題と2年生1学期の英語・国語・算数の成績(5段階評定)の相関を確認したところ、すべての学業成績の変数との間に弱い~中程度の相関関係(p<.01)が見られ,プログラミング的思考は,学業成績と関連することが示された。また、従属変数に認知課題,説明変数に学業成績を投入し,ステップワイズ法による重回帰分析を行ったところ、偏回帰係数は,算数の知識・技能,国語の聞く・話す,算数の考察力で有意であった(F(3,122)=26.89(p<.01))。 プログラミング的思考を測る認知得点の上位と下位の児童の行動の違いを明らかにするため、授業の様子を撮影したビデオカメラの動画解析を行った。2022年度の2年生70名を対象に、認知課題得点の上位7名,下位7名の行動の違いを確認するため,各学年の行動の出現回数の合計を比較したところ、1年時の「マップを指さす」(t(12)=2.60,p<.05)と「仲間に主張・指示・質問をする」(t(12)=3.21,p<.05)に有意差が見られ,いずれも得点の上位の児童の方が下位の児童に比べ多いことが示された。
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