2021 Fiscal Year Research-status Report
とっさの判断から展開する対話、表現活動を取り入れた授業内活動の設計、実施と評価
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20K03105
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
保崎 則雄 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70221562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤城 晴佳 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (00824559) [Withdrawn]
山地 弘起 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 教授 (10220360)
斎藤 隆枝 国際医療福祉大学, 総合教育センター, 助教 (20827802)
土井 香乙里 ものつくり大学, 技能工芸学部, 講師 (60409703)
北村 史 長崎大学, 情報データ科学部, 助教 (90613860)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | とっさのコミュニケーション / 文字によるコミュニケーション / 英語学習におけるコミュニケーション / 身体表現活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究代表者(保崎則雄)は、同期型オンライン授業での授業における言語コミュニケーションにおいては、授業最後にその場で即興的に行う文字を中心とした授業の振り返りに注目して実施、分析をした。 現在までに明らかになったことは、1)オンラインでの学びや制作活動への馴染みが捗りにつながっていき、学期が進むに連れて有意に高くなったこと、2)協働の制作活動は楽しめる一方で、その難しさは学期を通して継続されたこと、3)クラスメイトとの相互学習は高い尺度評価で安定して 推移したこと、の3点である。 研究分担者(斉藤氏)は、プレゼンテーションスキル向上を目指す「英語ライティング」(授業言語は日英バイリンガル)における実践報告。1つのトピックに対するプレゼンテーションを行う際に、ステップ1で動画投稿サイトにプレゼンテーションを投稿して自己省察、ステップ2でプレゼンテーションビデオを3-4人のグループでディスカッションによる省察、ステップ3で省察を元に修正したプレゼンテーションを口頭発表する手順を取った。結果、ディスカッションのステップを経たプレゼンテーションでは、プレゼン構成が圧倒的に分かりやすくなり、即自的な対応が求められる質疑応答時に聴衆から寄せられた様々な質問に対して、多角的な視点から応答をする態度が多く観察された。別の研究分担者(北村氏)の実践では、即興演劇(≒インプロゲでーム)の手法を取り入れた実践を取り入れ、自由記述による学習者の省察を分析した。学習者の省察を分類すると、1)自身の語彙への気づき、2)自身のコミュニケーションスタイルへの気づき、3)意識下で相手の言葉に反応しようとすることへの気づき、4)知識や正しい事実から飛躍して空想することの難しさ、5)空想することの面白さ、6)相手の言葉を引き出す問いかけの必要性、といった概念が抽出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は対面での授業が増えると予定していたが、オミクロン株の流行で、最初の1回のみを対面で行い、その後はオンライン方式に切り替えた。それゆえ、言葉でのコミュニケーションでは、微妙なタイムラグが生じ、主たる分析対象の活動は授業最後の「リフレクション・シート」の分析と教員からのレスポンスの意味について研究協力者の支援を得て、分析した。大学のMLSのMoodleに提出したものをその日のうちに印刷し、コメントを手書きで入れ、翌日か翌翌日にメール添付で返却することを15週間行なった。その評価の一部は、上記のフォーラムで報告し、いくつかの質問を受けた。概ね肯定的なものであり、「よくやりますね。」という反応もあった。研究分担者はそれぞれ、英語という言語を用いてもプレゼンテーション活動を授業で実践しつつ、受講生からの聞き取りを行っており、さらに別の研究分担者は、自身の授業において、身体表現活動を通して、身体言語を、身体心理学をベースとして継続して実践している。この英語教育活動、身体言語は、研究代表者の実践でのメディア言語、映像言語、映像文法というものと深く関連しており、マルチモダルコミュニケーションという分野へと繋がっていくと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は春学期の授業はだいぶ対面になってきているので対面での教室コミュニケーションの即興性についてデータを収集し、分析する方向で予定している。対面式1本で行えない職場の状況でもあり、このハイフレックス型の授業でオンラインと対面の両方の学習者同士のコミュニケーション、質疑応答、あるいは、大学のLMS(Learning Management System)で使用しているMoodle, さらに同期型のオンラインコミュニケーションシステムのZoomの使用を通して総合的、連動あるいは独立して学生のとっさの言動を捉え、比較、分析するのかという課題は継続して関わってくるだろう。研究分担者(北村氏)は今年度も継続期して対面式授業なので、身体表現活動の分野で蓄積したデータの透明性について検討しつつ、分析を加える予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は、対面式の授業が増えると当初は予定していたのが、大学の方針などでオンライン(同期型)式での授業実施に切り替えたこともあり、この点は次年度の対面式授業実施の増加に期待して集中的にデータ収集などの作業を行うことになったため。
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Research Products
(4 results)