2020 Fiscal Year Research-status Report
手書き入力漢字自動採点システムの運用拡充と試験への適用
Project/Area Number |
20K03109
|
Research Institution | Gifu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
井戸 伸彦 岐阜協立大学, 経営学部, 准教授 (30340061)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 手書き入力文字 / 学習支援システム / 自動採点 / パターン認識 / 漢字 / e-ラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
漢字検定相当の試験の自動採点を行うシステムを実際の大学教育で運用し、教育成果を上げることを目標に、報告者は研究とシステム開発とを進めてきた。 2020年度の研究は、コロナ禍による影響を大きく受けることとなった。開発したシステムを所属する大学の授業にて使用することを前提として計画を立てていたが、遠隔授業が行われる中でこれを実施することが難しくなった。また、解答となる字形を入力する際にも、感染予防の観点から同じタブレット端末に複数の学生が触れることにも慎重にならざるを得なかった。さらに、自動採点を行う際に使用する漢字ごとの採点情報の作成においても、その確認を行うための手書き文字入力の試料の収集が困難になった。 このような背景から、2020年度はシステムの機能のブラッシュアップとiPad端末への対応とに注力することとした。ブラッシュアップを行った主な機能には、電子ペンによる入力軌跡のベジェ曲線への変換機能、入力字形中に余分な画または不足する画がある場合のその画の同定方法、画数フリー機能での入力字形の画構成判定などがある。これらの機能は利用者の使用感の向上につながるものであり、システムの実用性はより高まったと考えている。また、iPad端末への対応は、所属する大学で新入生からiPadが必携となったことを受けて、Safariブラウザへの対応を行ったものである。これは上述の入力軌跡のベジェ曲線への変換機能とも関連する。 今後ともコロナ禍による影響は不透明ではあるが、iPadを各自で所持した新入生が使用する環境に向けて開発した自動採点システムの活用方法を模索することで、感染予防を図りながらの運用に活路を見出せると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
手で触れてタブレット端末に書き込む操作を前提とした手書き文字自動認識システムの研究は、上述のとおり感染予防の観点からコロナ禍による影響を避け得るものでは無く、残念ながらこれによる遅延は生じることとなった。これとは別に、自動採点に用いる漢字ごとの採点情報の作成は当初考えていたよりも時間が掛かることも判明した。すなわち、オブジェクト指向における継承の考えを取り入れた採点情報作成システムを構築して利用しているが、継承により効率が上がるフェーズに至る前の初期段階では、試行錯誤の手作業の部分があってこれに時間を費やす事態になっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
上述のとおり、iPadが必携となった新入生に開発した自動採点システムを利用してもらうことにより、例え遠隔授業となっても授業での活用や手書き入力の試料を得るための協力を得ることが可能になる。また、上述の採点情報作成については、今後フェーズが進んで継承による効果で進捗が加速することになると考えている。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により所属する大学の授業がリモート中心となり、使用する目途が立たないタブレット端末の購入を先送りとした。また、開発する手書き入力漢字の自動採点システムの採点情報を作成するための試料作成などに関わる人件費・謝礼についても、感染予防の観点から望ましくない作業は実施出来なかったため使用することが無かった。 2021年度は対面授業中心とする大学の方針の中で、出来るだけ大学キャンパス内でのシステム利用を図る機会を求めることとする他に、遠隔での試料作成・収集を図って行く。
|