2021 Fiscal Year Research-status Report
サイバーセキュリティからアプローチする高専生に特化したトップダウン型教育の構築
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20K03113
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
米村 恵一 木更津工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (90369942)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高専生 / サイバーセキュリティ / 学習意欲 / 没入感の深さ / サイバーセキュリティ教材開発 / サイバー攻撃 / サイバー攻撃とその対策 / 積極的サイバー防御スキル |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者が所属・マネジメントする「サイバーセキュリティに強い高専教職員を育成するプロジェクト」にて開発した、学習者がサイバー攻撃を体感し、その対策手法をも習得することが可能であるサイバーセキュリティ教材を、高専生に体感してもらった。実際にあったサイバー攻撃とその被害を事例としたロングシナリオサイバーレンジであり、学習者はサイバー攻撃と社会との関わりをより深く実感し演習に取り組むことができることから、積極的サイバー防御スキル習得を可能とする。 開発したサイバーレンジを用いて、“没入感の深さ”の定義の確立に大きく関わる学習形態と学習効果との関係を検討するため、体験する高専生のグループとして、通常の講義の中で受講する高専生(講義時間が途切れ没入感の深さにマイナスに働く)と、サイバーセキュリティの演習の受講を自ら希望(学習意欲の可視化を検討することが可能な体制)して合宿形式(集中講義形式であり、没入感の深さにプラスに働く)にて受講する高専生の2つの受講グループについて、教育効果測定を実施した。通常の講義の中で受講するグループでは、重点項目として説明した内容に関わるスキル・知識の伸びが見られた(学習スコアとして受講前後の自己評価によるスキルチェックを実施し、その差分を習得度と定義。瞬間の伸びという観点から学習スコアと同義とおいた)。合宿形式にて受講したグループでは、教材開発者が向上を意図したスキル・知識の伸び(前述の学習スコア)が見られた。これらの結果を総合的に分析し、講義体制と講義前の自己スキル評価結果に応じて、講義中の働きかけの方法を選択する教授法が有効であるという結論を得た。 高専生が持つサイバーセキュリティを学ぶことへの興味や、学習効果への期待といった項目の意識調査を実施し、高専生に特化したトップダウン型教育手法を構築するための最終段階へ進む体制を確保した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学習効果に関係する“没入感の深さ”が、どのような状況で深く発生するのかを検討することができた。 積極的サイバー防御スキル習得に励むことができるロングシナリオサイバーレンジを開発したことで、教育コンテンツの高度化に成功し、講義にて活用することができた。 2020年度に採択され2021年度に発表予定であった国際会議2件の発表に至った。 2021年度中に進めた成果をまとめた内容が国際会議に採択され、当該年度内における発表に至った。 次年度の最終段階へ向けて進める方針を確立することができた。 その構想は2022年度の国際会議にて発表する予定でありその準備段階に入った。
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Strategy for Future Research Activity |
目的をより高いレベルで達成するためのサーバを購入する。 充分に高度化されたサイバーセキュリティ教材を、購入したサーバへ搭載し、講義にて活用する。 講義では、“没入感の深さ”が学習効果へ及ぼす影響を検討するため、多くのスキルに触れることができる教材、様々な難易度の教材、興味の方向性が異なる教材、そして様々な受講環境を用意し、学習者の理解度・習熟度との関係を検討・分析し、効果の可視化につなげる。 意欲的・効果的・継続的な新しい形のトップダウン型教育モデルを構築・確立し、最初の段階として、高専という場所で高専生に適用し、運用から新しい知見を得る。 次の段階として、ITセキュリティ技術者の早期教育モデルとして広く教育現場へ展開する準備へ進む。
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Causes of Carryover |
当初予定していた教材を搭載するためのサーバの購入を次年度に見送った。 その理由として、サーバに搭載しようとしていた教材の高度化の進展と教育効果の測定の実施が予想を遥かに超えて充実したものとなったため、搭載するサーバの性能についての再検討の必要性が生まれたことがあがる。十分な再検討の結果として、予算を最大限活用した高性能サーバの購入を決定したため、2022年度開始直後に、適切なサーバを購入する。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] Teaching Expert Development Project by KOSEN Security Educational Community2022
Author(s)
Keiichi Yonemura, Hideyuki Kobayashi, Keiichi Shiraishi, Tatsuki Fukuda, Manabu Hirano, Hideaki Moriyama, Jun Sato, Hisashi Taketani, Shinya Oyama, Satoru Yamada, Satoru Izumi, Hiroyuki Okamoto, Youichi Fujimoto, Yoshinori Sakamoto, Kentaro, Noguchi, Seiichi Kishimoto
Organizer
2022 IEEE Global Engineering Education Conference (EDUCON)
Int'l Joint Research