2020 Fiscal Year Research-status Report
学びのユニバーサルデザイン(UDL)による主体的学習者育成の推進
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20K03117
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
川俣 智路 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (80633487)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 学びのユニバーサルデザイン(UDL) / 主体的学習者 / 授業改善 / 学習環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
主体的学習者育成の視点からUDLを実践に適用して展開している教員の協力を得て、学習環境を改善することにより、学習者の成長が促された事例を分析し、LD学会や特殊教育学会にてその成果を公表した。特に、、ガイドラインを踏まえた授業設計によって子どもが変化しその変化に対応して教員の学習指導に対する考え方も変容していき、学習環境が改善されること、『UDL実践者のための成長ルーブリック』を用いて、教師自身が自らの実践を振り返りながら取り組むことが効果的であることが示された。 北海道の2つの小学校では、校内研修と校内事例検討の実施を通じて、UDLガイドラインに基づいて学習環境を見直し、児童自らがオプションを選択して学ぶ授業実践を展開することができた。細かな分析等は新型コロナウイルス感染症のため実施できなかったものの、UDLの枠組みが学習環境を改善し、学習者を育てることに有効であることを示唆する1つの証左となった。 新潟県のUDLを学校全体で取り入れている小学校に校内研修を5回提供し、主体的学習者育成のための学習環境を構築するための、学習支援方法について検討した。そこではGoogleClassroomを用いて、学習環境の構築の方法について共有、ディスカッションをすること、GoogleFormを用いて「UDL実践者のための成長ルーブリック」によるセルフチェックなどによる教員の振り返りなど、UDLに基づく学習環境の構築のために必要な手段を身につける方法について、新たな示唆が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた北海道内、新潟市、東京都などへの学校訪問してのアクションリサーチ、継続的に実施する予定の授業計画などが、移動ができなことや児童生徒同士の密接な関わりを防ぐ観点から、実施できなくなり、これらの一連の調査を全て延期したため、計画は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は再び新型コロナウイルス感染症が流行したときに備えて、オンラインによる打ち合わせや授業のライブ視察などができる環境を整え、調査協力校にUDL実践を進めてもらえる準備を整えている。また、小中学校には1人1台デバイスが配置されたため、それを活用することにより2020年度には難しかった児童生徒の交流や、意見の共有などが今年度は実施可能となる見通しである。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のため、予定していた国内旅費、国学旅費、調査分析依頼のための謝金、学会参加費等が予定通り使用されなかったため。 次年度は、オンラインで授業視察や打ち合わせをするための機材を購入すること、可能な範囲で国内の小中高等学校とのアクションリサーチの実施による旅費の使用、国際学会並びに国内学会へのオンラインによる参加を予定している。
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Research Products
(9 results)