2020 Fiscal Year Research-status Report
大学生の対人問題解決スキル育成のためのシミュレーション教材開発と転移・維持の検討
Project/Area Number |
20K03129
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 佳子 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (90367011)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 稔樹 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (60173845)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ソーシャルスキル / 問題解決 / 対人葛藤 / 大学生 / 転移・維持 / メタ認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
ソーシャルスキル教育の課題として,効果が転移,維持しにくいことが指摘されている.教育の効果を転移,維持させるには学習者の認知過程へのアプローチが必要である.本研究では,e-learning型のシミュレーション教材を開発し,教材によってメタ認知技能が活用されるか,学習効果が転移・維持するかを明らかにする.教材はプログラミング言語Common Lispを用いて開発する.学習者の選択や反応に応じて異なるフィードバックを与える機能や展開が分岐する機能を追加しメタ認知技能の活用を促す指導を行う.e-learningによる対人問題解決スキルの指導は,多様なニーズを持つ幅広い対象への応用が期待される. 2020年度は,大学生の対人問題解決スキル教育の縦糸・横糸モデルを定義したことで,「人間関係論」14回分の講義計画と教材の設計方針が明確になった.また,講義でメタ認知知識にあたるモデルの内容を指導し,e-learning型シミュレーション教材でメタ認知技能の指導をするという方針を立て,汎用的な対話方略の試案も作成した.さらに,講義や教材で提示する典型事例としての対人葛藤場面を特定し,問題のパターン分けも行った. 2020年度後期には「人間関係論」の講義においてメタ認知知識にあたるモデルの内容を指導し,講義時間外の課題として実践したe-learning型シミュレーション教材(教材1・2)によってメタ認知技能の指導を図った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は,1)改良版シミュレーション教材の作成,2)学習効果を評価するための課題の作成,3)講義単独の効果を確認,という3つを実施することを予定していた.1)に該当する教材1,2)に該当する教材2を作成し,97名の学生を対象に実施することができた.また,講義単独の効果を確認するための評価方法を複数用意し,評価を終えており,2020年度の研究は,おおむね順調に進展している.
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度の成果をふまえ,今後は教材1・2のログデータを解析して学習効果を評価する.さらに,転移・維持効果検証のための教材3を作成・実践してログデータを解析し,学習成果が新たな対人葛藤場面での問題解決に転移・維持するかを評価する.
|
Causes of Carryover |
2020年度に新型コロナウィルスのため,参加予定であった国際学会2件と国内学会がすべてオンラインとなり旅費分が次年度使用額として生じた.e-learning型シミュレーション教材を実践するうえで,専用のサーバを用意する必要が生じたため,サーバ用コンピュータ等に使用する計画である.
|
Research Products
(4 results)