2021 Fiscal Year Research-status Report
フィルターバブルを意識できる能力を育成する教育方法に関する研究
Project/Area Number |
20K03130
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中橋 雄 日本大学, 文理学部, 教授 (80389064)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | フィルターバブル / ソーシャルメディア / メディア・リテラシー / 教育方法 / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「フィルターバブルを意識できる能力」を育成するために、どのような教育方法が有効なのか明らかにすることである。具体的には、その育成方法として、これまでメディア・リテラシー教育で採用されてきた「メディアを分析する」「メディアを制作する」「メディアのあり方を考える」といった教育方法について、それぞれの適用可能性と限界について検討するものである。本研究用に構築する教師用SNSを活用してメディア・リテラシー教育の経験がある現場教師とともに実践を計画して教材を開発したうえで、それを活用した授業実践の分析を行い、それぞれの教育方法の適用可能性と限界について考察する。 2021年度は、前半に「メディアを分析する」教育方法を採用した教材の開発を進め、後半にその実証実践を行いつつ、並行して「メディアを制作する」教育方法を採用した教材の開発を進める計画であった。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止する観点から、実証協力校において実践研究を行うことは困難な状況であった。そのため、実証実践を2022年度に延期することにして、その代わりに当初2022年度に行う予定だった「メディアのあり方を考える」教材の開発を先行して進めるというように計画を変更した。その結果、教材を一通り完成させることができた。2022年度は、実践者に教材を試用してもらい、その意見を参考にして教材をブラッシュアップするとともに、実践研究を進める予定である。教材開発の過程で得られた成果は、日本教育メディア学会年次大会での口頭発表、『学習情報研究』誌の論文などにおいて公表することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため、実証協力校において本格的な実践研究を行うことが困難な状況であった。そのため、実証実践を2022年度に延期することにして、その代わりに当初2022年度に行う予定だった「メディアのあり方を考える」教材の開発を先行して進めるというように計画を変更した。その結果、教材の内容を一通り決めることができた。以上のことから「やや遅れている」という状況にはあるものの、柔軟に計画を組み替えることによって研究期間中に計画していたことを実行できると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、授業の参観が認められない時期があり、実践研究の実施を延期することになった。2022年度も予断を許さない状況ではあるが、協力者と相談して基本的には研究計画通り対面授業での調査を実施する予定である。もしそれが困難な状況になった場合には実践者自身に実践の様子をビデオで記録してもらい、それに基づく実践研究を行う予定である。また、対面授業が困難となりオンライン授業が実施される場合には、開発した教材・実践パッケージをそれに対応した内容にカスタマイズして実証研究を行うことを検討している。
|
Causes of Carryover |
2021年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するために実証協力校において本格的な実践研究を行うことが困難な状況であった。そのため、2021年度に行う予定であった実証実践を2022年度に延期するという研究計画の変更が生じた。それに伴い、予算執行に関する計画の変更も生じることとなった。具体的には、2021年度に実証実践の評価・分析をするために必要としていた「学習者同士の相互作用を記録して評価するための機材使用・業務委託費、ビデオカメラ、分析用PC」に関する予算を使用しなかった。その予算を、実際に実証実践を行うことになる2022年度に使用する計画である。
|