2020 Fiscal Year Research-status Report
Programming Support Tools for Experience-Centered Learning about Information Technology Underlying "Society 5.0"
Project/Area Number |
20K03132
|
Research Institution | Kamakura Women's University |
Principal Investigator |
杉浦 学 鎌倉女子大学, 家政学部, 准教授 (90707861)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | Society 5.0 / プログラミング / カリキュラム開発 / 初等・中等教育 / Scratch |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、AI・ビッグデータ・IoTなどの「Society 5.0」を支える情報技術を体験的に理解可能なプログラミング学習を行うための支援ツールを開発し、その有効性を実証することである。学習者の想定は、初等・中等教育段階のプログラミング初学者である。こうした学習者が「最先端の技術をプログラミングによって無理なく学習するための方策」を研究課題として設定し、学校教育の現場で広く利用されているScratch 3.0の拡張機能を用いて、先端的な内容が学習できる支援ツールを実装する。これにより、学校教育の現場における実践に活用しやすい仕組みが提供できる。 本年度は研究計画に基づき、支援ツールの開発を中心として研究を実施した。具体的には、開発に必要な備品を調達し、必要な開発環境を整え、ツールとして実装する拡張機能の仕様を精査し、プロトタイプを実装した。 プロトタイプとして実装を行った拡張機能は、①クラウドサービスに関するもの(各種APIへのアクセス、スマートホーム用バックエンドサービスへの接続等)、②IoT・デジタルファブリケーションに関するもの(PCに接続された赤外線リモコンの操作、デジタル工作機械との連携等)、③音声認識・テキスト認識・画像認識に関するもの(PCのマイクによる音声認識、PCのカメラからの画像認識、二次元バーコードの生成や読み取り等)、④ビッグデータに関するもの(統計データからの読み取りと分析、分析結果のグラフ描画等)である。 上記の③の拡張機能のうちの一部(二次元バーコードの読み取り)については実装を完了させ、この拡張機能を使ったプログラミング学習の方法を子ども向け科学雑誌の別冊として執筆・出版した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究計画のうち、1年目に実施予定とした支援ツールのプロトタイプの実装を中心として研究を実施した。おおむね順調にプロトタイプの実装を行うことができた。また、一部については仕様を確定させ、子ども向け科学雑誌の別冊に研究成果を利用した学習教材を掲載・発表することができた。 しかしながら、①クラウドサービスに関するもの(各種APIへのアクセス、スマートホーム用バックエンドサービスへの接続等)、②IoT・デジタルファブリケーションに関するもの(PCに接続された赤外線リモコンの操作、デジタル工作機械との連携等)の一部は、今後のカリキュラム開発を踏まえた仕様変更や、利用するデジタル工作機械との連携に関する調整が必要であると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は総合的な学習の時間(小学校・中学校)、技術・家庭(中学校)、情報・総合的な探究の時間(高等学校)等での実施を想定し、本研究で開発した支援ツールを利用したカリキュラムを開発する。同時並行で、本年度にプロトタイプとして実装した支援ツールの仕様を再検討し、実験授業で円滑な利用が行えるように改良を行う。また、1回あたり15名規模を想定した実験授業に必要な機材を調達し、実験授業の準備を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
本年度に調達予定であったデジタルミシンについては、支援ツールのプロトタイプ実装には不要と判断した。デジタルミシンは次年度に予定しているカリキュラム開発には必要なため、次年度に調達を行う予定である。 ツール開発用PCは必要なスペックを再考して調達を行ったため、研究経費に計上した予算額より少ない使用額となった。 次年度は主に実験授業の準備に関する費用を計上しており、今年度に調達を見送った機材の購入と合わせて、研究の実施に必要な経費を支出する予定である。
|