2020 Fiscal Year Research-status Report
Construction of an evaluation system for child care and education
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20K03139
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Research Institution | Shitennoji University Junior College |
Principal Investigator |
松山 由美子 四天王寺大学短期大学部, その他部局等, 教授 (90322619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 恵 畿央大学, 教育学部, 准教授 (90516452)
塚田 義典 摂南大学, 経営学部, 講師 (50622643)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 保育でのICT活用 / タブレット / アプリ開発 / 保育の評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主に国内外の保育評価に関する研究結果の整理とアプリの改良の方向性の検討を行った。 日本における保育の評価については、日本保育学会の発表を見ても、幼児理解に基づく保育ドキュメンテーションや、幼児1人ひとりの理解を可視化するためのポートフォリオやラーニングストーリーの作成による評価が見られる。養成校でも保育ドキュメンテーション作成に関する授業も取り入れられており、写真等を用いた評価が今後も主流になると思われる。 本研究で開発中のアプリ「ASCA(Archives Sharing and Creating Anytime for preschool)」を活用した保育現場の保育者へのインタビューでも以下の3点が意見として出された。(1)保育者の視点による写真と幼児の視点による写真を融合させたドキュメンテ―ションの作成にタブレットを活用したい。(2)アプリを使い、ログインし個人を特定したうえで撮影ができる機能や、タグを使った写真データの振り分け機能がスムーズに動けば、ポートフォリオ等の作成には大きく活用できると思う。(3)プリンタと連携した掲示物の作成がより容易になることで、保護者連携にも活用しやすくなるし、多様な評価の視点を得ることができると思う。 アプリ開発については、日本の保育現場ではセキュリティの観点から通信環境が未整備であることが依然問題としてあるが、改良の方向性として、インフラが整うことを見据えつつ、通信環境が未整備でもアプリが快適に動くこと、さらに、通信環境の整備状況に関わらず評価活動をよりスムーズに行うことができるよう、アプリで行う機能とサーバパソコンで行う機能の分化を見直した。評価にかかるタグ付けや再振り分けの機能については、サーバパソコンでも行うことができるようにするなど、タブレットとサーバパソコンの通信が最小限になるようにシステム全体を改良する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、研究者と保育現場との具体的な連携が進みにくく、保育現場(特に幼稚園)におけるタブレットを活用した保育の観察はほぼできなかった。実際にいくつかの園にはアプリをインストールしたタブレットを配布したが、活用も少なく、今年度は次年度以降に向けてのインタビューや今までのタブレット活用から保育者が感じた意見を改めて集約するにとどまった。保育現場からの意見をアプリの再開発に取り入れることと、現場の通信インフラ環境にも応じたシステムの再編成と開発が必要であることが明らかになったが、実証まではできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)今までタブレットのアプリ側で行っていた機能のうち、一部をサーバパソコン側のプログラムを開発することで対応することで、通信インフラが職員室内のみという状況でも活用できるように機能の分化及び再編成を行った。その検討結果を踏まえたシステムの再開発及び実証実験を行い、保育評価の検討に入る。 (2)海外の事例研究として、韓国等でのICT活用についての視察を検討していたが、実施が困難になってきたので、海外のコーディネーター役の先生方と協力し、最新の情報をWebミーティング等で意見交換する予定である。 (3)保育の評価に必要な視点や機能を精選することを目的に、2021年度は4月後半から1年間にわたり長期にタブレットを配布し、園やクラスの活動に合わせて自由に活用していただき、そこでの幼児の活動や保育者の援助とタブレットの活用について改めて調査する。タブレットの活用頻度、撮影頻度や枚数といった量的なデータとともに活用の具体的な様子を改めて検討することで、アプリ開発や今後の保育現場における保育評価でのタブレット活用への提案に活かす。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により、保育現場及び大学への立入禁止期間があったため、保育現場での実証研究や大学等での開発が滞った。そのため、必要な物品の購入及び旅費等は全て支出できなかった。 次年度は、大学でアプリ及びシステム開発にとりかかるため、システム開発に必要な物品購入などを行う計画である。また、保育現場での実証研究への観察も定期的に行いたい。
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Research Products
(5 results)