2020 Fiscal Year Research-status Report
授業イメージとエンゲージメントを活用した日常的に学び合う校内研修プログラムの開発
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20K03145
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中澤 明子 東京大学, 教養学部, 特任准教授 (20588230)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エンゲージメント / アクティブ・ラーニング / 主体的・対話的で深い学び / 校内研修 / 授業イメージ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、授業イメージとエンゲージメント(学習への動機づけや楽しさ等のポジティブな感情を持ちながら積極的に学習に参加すること)を活用した、アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善に資する日常的に学び合う校内研修プログラムを開発し、実際に校内研修を実施して評価するものである。 2020年度は、校内研修プログラムの開発の準備期間として、先行研究に関する文献調査を行った。具体的には、授業中の生徒のエンゲージメントを高めることを目的とした教員研修プログラムの有無や、その形態と内容、明らかになっている効果や課題を明らかにするため、海外論文誌を対象として論文データベースで検索し、Systematic Reviewを行った。800を超える論文が一次検索の段階で見つかり、その後重複の削除などを行った。分析は完了していないものの、授業における生徒のエンゲージメントの向上を目指した教員研修プログラムを扱った論文が複数あることや、特に認知的エンゲージメントに関わるものが多いことがわかりつつある。このまま分析を進め、最終的な結果を論文としてまとめる予定である。これによって得られる成果は、授業におけるエンゲージメント向上を目指した教員研修プログラムの検討に大変有用となりうる。また、本研究での開発を進める上でもとても役立つと考えられる。 また、本研究に関連する研究等について情報収集を行うため、国内学会に参加し、情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、校内研修プログラムの検討も2020年度に行う予定であった。しかし、文献調査の実施に留まり、具体的な検討に踏み込むことができなかった。これは、研究代表者の研究時間の確保が主な原因である。また、COVID-19の影響で、校内研修実施の候補である学校の状況も変化した。状況を見きわめて研修方法の検討に活かすことが必要だったことも「やや遅れている」と判断した理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、2020年度から行っているSystematic Reviewの分析を行い、論文としてまとめる。その結果に基づき、具体的な校内研修の検討に着手する。また校内研修実施の候補である学校において、本研究の予備的調査になりうる校内研修が行われる予定であるため、教員へのインタビュー調査等を行い、本研究での検討に活かす。 COVID-19の影響がどこまで続くかわからない状況である。教員研修の検討においては、オンラインの活用を意識し、研究課題の遂行への影響を最小限にしたい。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、国内学会・国際学会ともに中止やオンラインでの開催となった。また学校を訪問しての打合せ等も行えなかった。そのため、旅費に余剰が出た。 この次年度使用額については、2021年度に国内学会・国際学会への出張旅費として充当するつもりである。しかし、2021年度もCOVID-19によりオンラインでの学会開催が主となる可能性があるため、その場合は文献調査や開発費、またオンライン学会への参加費に充当する。
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