2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of smartphone application for suicide prevention
Project/Area Number |
20K03151
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
白石 将毅 札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (60438059)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河西 千秋 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50315769)
鵜飼 渉 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (40381256)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 自殺予防 / ICT / スマートフォン / アプリケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
StanleyとBrown(2012)は、自殺予防の一環として、治療者と患者が双方向性に使用する危機介入のツールである、「Safety Plan」を開発した。Safety Planの有効性はすでに検証されており(Knox et al. 2012)、国際的に臨床現場で活用されている。その後、コペンハーゲン大学の精神医学研究グループが、Safety Planを取り入れたSelf-help toolとして携帯アプリケーションソフトのMY PLANを開発し、効果検証をしている(Larsen, 2015)。 報告者らは、MY PLANの日本語版の開発と、その効果検証のための研究に着手し、すでにMY PLAN開発者であるLarsen氏らと研究ミーティングを重ね、MY PLANの日本語版作成の許諾を得た。本研究助成を受けてから以降、MY PLANのデンマーク語版、英語版を参照しながら翻訳作業を開始した。約200枚に及ぶ携帯アプリケーション画面について、適当な文章・用語を吟味し、デンマークと日本で文化的に異なる項目については原版の指す意味合いを損なわないように配慮した上で変更を行い、原版の通常の電子ファイル・ベースで日本語に翻訳し、日本語版version 0を作成した。そして、在日本デンマーク大使館の助力を受け、Larsen氏らとメール会議を重ねながら、日本語版のアップデートを重ね、日本語版によるアプリをiPhoneとAndroidの両方のOS用に作成した。今後、両方において動作性の確認を行い、確定版のversionを作成し、その有効性を検討する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初日本語版自殺予防アプリを独自に開発しようと考えていたが、コペンハーゲン大学との話し合いの中、MY PLANをそのまま日本語に翻訳して使用することとなり、3年目に予定していたアプリ作成を先行して行うこととなった。順序は変わったが概ね順調に進行している状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在進めているMY PLANの日本語訳を続け、最終的にはdouble translationを行い翻訳の精度を高める。MY PLANの日本語訳が終わったら、feasibility studyを行いその有用性と安全性を調査する。 具体的には、本研究に同意が得られ希死念慮を有する患者を対象に行う。年齢、性別、家族歴・既往歴、International Classification of Diseases 10th Revision (ICD-10)に基づいた精神科診断の他、自殺関連行動に至った心理社会的背景など精神医学的評価を行う。精神医学的評価の後、本研究について十分に説明をして同意を得る。主要評価項目は苦痛、ストレス、焦燥感、絶望感、自己嫌悪感に加え、Beck Scale for Suicide Ideation (BSS)、Beck Depression Inventory (BDI-Ⅱ)、8-Item Short-Form Health Survey (SF-8)を用いて、介入前後の自殺念慮、抑うつ症状、健康状態の評価を行う。副次評価項目として、介入後3か月の時点での、自傷行為・自殺企図の有無を確認する。MY PLANを用いて介入を行い、介入前後で評価を行う。得られた結果は、適切な統計解析ソフトを用いて解析を行う。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍のため予定していた旅費を全く使用せず、また人件費についても同様に採用がなく使用しなかった。コロナ禍の状況にもよるが、可能であればミーティングのための旅費に充てる予定である。旅費以外では一部は設備備品のための費用として使用する予定である。
|