2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K03153
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
佐藤 純 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (20327266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向居 暁 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (80412419)
廣田 信一 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (70292406)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 指導方略 / 教師 / メタ認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもに対する指導に関する問題が生じる要因の一つとして,本研究では,指導者における指導方略の選択過程に焦点を当て,子どもの指導者がどのように指導 方略を選択して用いているのかを明らかにすることを目的とする。子どもに対する指導方略を「日常場面において子どもを指導する立場にある者が,子どもの適切な行動を導くために選択する行動および行動指針」と定義し,教師や保育士等の指導者を対象とした,指導方略の使用を測定する尺度をそれぞれ作成した。 初年度の調査によって収集された指導行動を基に,新たに50項目からなる子どもに対する指導方略尺度を作成した。インターネット調査専門会社を通じて,教師または保育士として働いている成人500名(男性209名,女性291名)に対してweb調査を実施した。 指導方略尺度から自らの指導方法を振り返りコントロールするメタ認知活動に基づく指導方略をメタ認知的指導方略として独立させ,指導方略尺度とメタ認知的指導方略尺度の2つそれぞれにおいて探索的因子分析を行った。その結果,最終的に指導方略尺度において4因子,メタ認知的指導方略尺度において3因子が抽出された。 指導方略において抽出された因子は,受容傾聴因子,注意指導因子,褒称指導因子,内省促進因子とそれぞれ命名した。メタ認知的指導方略において抽出された因子は,メタ認知におけるメタ認知的活動にあたるこ調整的コントロール因子および維持的コントロール因子と,メタ認知的知識因子の3因子であった。 また,それぞれの因子に高い負荷量を示す項目を集めて下位尺度とし,各下位尺度内の内部一貫性について検討したところ,全てにおいて高い内的一貫性が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定では,初年度において面接調査を行い,その結果を踏まえて自由記述調査にて深く調査を行う予定であったが,新型コロナウイルス感染症予防対策により調査協力を依頼予定であった教師の業務量が増加し,また感染予防の観点からも面接調査の実施が困難となり自由記述調査を実施した。当初は,自由記述調査への協力依頼をしていた対象者に対して尺度作成のための第一回調査を行う予定であったが,協力が難しい状況であったことから全てウェブ調査に切り替えたため,ウェブ調査の手続きに時間と経費が予定よりもかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
作成された尺度と関連要因との相関分析を実施する予定であるが,学校に訪問しての質問紙調査も憚られることから3年目は全てウェブ調査によって進める予定である。当初からウェブ調査の利用も含めて計画していたため,大きな計画変更はないものの,分析に必要な人数と調査にかかる費用を合わせて検討しながら,最終年度に予定されている調査を実施する。
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Causes of Carryover |
2020年度および2021年度は新型コロナウイルス感染症予防のため,面接調査が実施できず,面接調査に要する費用がかからなかった。また,研究打ち合わせや学会参加もすべてオ ンライン化したために,それらの旅費もかからなかった。これらのことからここ2年間の予算執行額が予定よりも大きく減少した。一方で,予定されていた学校を訪問しての質問紙調査等に代わり,全てウェブ調査を実施する予定になったことから,当初よりもウェブ調査にかかる費用が増える予定である。
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