2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K03153
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
佐藤 純 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (20327266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向居 暁 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (80412419)
廣田 信一 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (70292406)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 指導方略 / 教師 / メタ認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもに対する指導に関する問題が生じる要因の一つとして,本研究では,指導者における指導方略の選択過程に焦点を当て,子どもの指導者がどのように指導方略を選択して用いているのかを明らかにすることを目的として研究を行った。 研究2年目に作成して信頼性と妥当性を確認した子どもに対する指導方略尺度(以下,指導方略使用尺度)を基に,研究3年目には子どもに対する指導方略に対してどのような認知をしているかを測定する,子どもに対する指導方略認知尺度(有効性,正当性,負担感の認知を測定する。以下,認知尺度)を作成した。その結果,使用尺度と認知尺度の有効性認知および正当性認知の間で,強い正の相関が認められた。しかし,使用尺度と負担感認知との間では弱い正の相関が「注意指導下位尺度」「褒章指導下位尺度」「メタ認知的知識下位尺度」で認められたが,その他では極めて弱い正の相関か,有意な相関ではなかった。本研究は,学習方略研究をモデルとして研究を展開してきたが,上記の点については学習方略研究から仮定されるしようと認知の関係とは異なるものであった。具体的には,学習方略では負担感(コスト)の認知が使用に対して負の影響を与えていたのに対して,指導方略においては負の影響を与えるものではなかった。このことから,学習方略とは異なり,指導方略は教師が仕事として実行する行動であることから,負担だから実行しないという関係にはならなかったものと考えられる。これらの研究を通じて,教師の指導方略を改善していくためには,教師が自身の指導方略を決定する際にメタ認知を働かせることが重要であることが明らかとなった。一方で,本研究で扱った指導方略は一般的に望ましい指導方略に限定されており,不適切な指導がなぜ行わてしまうのかについて言及することができておらず,その点について今後明らかにしていく必要がある。
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