2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K03160
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
寺尾 敦 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (40374714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 一成 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (20406812)
宮治 裕 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (30255236)
飯島 泰裕 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (50262548)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 個別学習 / 協調学習 / オンライン授業 / デザイン原理 / メタバース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、個別学習と協調学習を連携させて、深い学習をもたらす学習環境のデザイン原理を明らかにすることである。 コロナへの対応のため、学習環境デザインの研究ではオンライン授業という授業形態を無視できなくなった。本研究でのテーマである個別学習と協調学習という軸に加えて、対面授業とオンライン授業という軸を考慮することが必要となった。 今年度は、授業前後の個別学習(図書の指定範囲を読んで小論文を作成)と、授業での協調学習(ディスカッション)を組み合わせた「認知心理学」の授業において、メタバース環境でのディスカッションを導入した。メタバース環境でのディスカッションが、通常の会議システムを用いたディスカッションと、学習における何らかの差異を生じさせるのかを検討することが目的である。会議システムでもメタバース環境でも、ニックネームを用いた匿名でのディスカッション(会議システムでは画面オフ)と、実名でのディスカッションの両方を行った。 ディスカッションは5名から6名のグループで行われた。毎回の授業で、5つから6つほどできるグループのうち、2つのグループのディスカッションを録画した。学生は、準備した小論文に基づいてディスカッションを行い、ディスカッションでの気づきをふまえて小論文を改訂することが求められた。授業後に、ディスカッションへの貢献の自己評価と、貢献の大きかった他者への投票を行った。 詳細なデータ分析は実行中であるが、現在のところ、メタバース環境でのディスカッションと会議システムでのディスカッションに明確な差異は見つかっていない。教育でのメタバース環境の利用にはさまざまな期待があるが、ふだん同じキャンパスで過ごしている学生が授業でのディスカッションを行う環境としては、通常の会議システムと教育効果において大きな差はないのかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
得られたデータの分析がやや遅れている。毎回の授業での課題や、ディスカッションの録画など、分析すべきデータが非常に多いことが要因のひとつである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年間延長したので、これまでに得られているデータの分析を進める。ディスカッションの録画など、分析すべきデータが非常に多いことが、研究がやや遅れている要因のひとつである。2名の学生が卒業研究でメタバース環境の教育利用について研究することになったので、2022年度の「認知心理学」の授業で得られたデータの分析は促進されると期待できる。
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Causes of Carryover |
研究期間を1年間延長したため。得られたデータの分析(ディスカッション録画データの文字起こしなど)と、得られた結果の発表にかかる諸費用(旅費など)に使用する。
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