2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K03160
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
寺尾 敦 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (40374714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 一成 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (20406812)
宮治 裕 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (30255236)
飯島 泰裕 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (50262548)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | デザイン原理 / 個別学習 / 協調学習 / オンライン授業 / AI / ChatGPT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,個別学習と協調学習を連携させて,深い学習をもたらす学習環境のデザイン原理を明らかにすることである。学習環境をデザインし,それを教育実践の場で試用して,その結果をもとに改善を繰り返す,デザイン研究の手法を採用している。 本研究を実施した4年間を通して,授業でのディスカッションを協調学習の場として,その前後に個別学習を行うデザインを基本としてきた。たとえば,「認知心理学」の授業では,学生は授業までにテキストの指定された章を読み,要約と小論文を提出した。授業では,解説講義のあと,小論文に基づいてグループディスカッションを行った。授業後に,小論文を加筆・修正して提出した。 こうした実践からいくつかのデザイン原理が得られた。たとえば,(1) 学習者はディスカッションへの準備が必要である,(2) 可能であれば,準備段階での誤解や理解不足を教員が指摘する,(3) 学習者は,授業前と同一あるいは類似の課題で,学習のまとめを行う,といった原理が挙げられる。 本研究の期間はコロナ禍と重なったため,オンラインという授業形態を無視できなくなった。本研究でのテーマである個別学習と協調学習という軸に加えて,対面授業とオンライン授業という軸を考慮することが必要となった。オンラインでの協調学習として,たとえば,メタバース環境でのディスカッションを導入した。結果として,メタバース環境でのディスカッションと会議システムでのディスカッションに明確な差異は認められなかった。 オンラインの学習環境として,ChatGPT のようなAIの導入も検討した。これは,個別学習であるとも,AIとの協調学習であるとも考えられる。ChatGPT との哲学的対話によって思考を深めることを試みた。対話は,常にうまくいくわけではなかったが,思考の整理や深まりを促したと考えられるものもあった。
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