2020 Fiscal Year Research-status Report
Iterative learning usings simulation educational system (Body Interact) is an ideal learning method to improve the practical skill to see anaphylactic cases
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20K03161
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鈴木 慎太郎 昭和大学, 医学部, 講師 (10445611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 哲也 昭和大学, 医学部, 講師 (00515231)
相良 博典 昭和大学, 医学部, 教授 (80275742)
土屋 静馬 昭和大学, 医学部, 准教授 (70439438)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | シミュレーション教育 / ICT・IoT利活用 / 自主学修による事前学修・反復学修 / Body Interact / アナフィラキシーショック / COVID-19 / コロナ禍 / アクティブラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究実施の背景として全科の医師が遭遇し得るものの現実的には経験が困難な病態、アナフィラキシー(ショック)をいかにして効率よく繰り返し学ぶ方法がないか、とくに医学部学生が自主的、反復的に学修する方法がないかの模索があった。単純な座学形式の授業ではなく、問題解決を含めたアクティブラーニングを効率的に行うための手段としてICT・IoTの活用が挙げられ、医学教育用シミュレーションソフトウエアであるBody Interact(Take The Wind、ポルトガル)を利用したデジタル模擬患者の反復的な臨床医学教育を提案した。折しも、新型コロナウイルスの流行、それに対するワクチン接種によりアナフィラキシーが発生し得ることが全世界的に注目されており、医学生から研修医に至る過程でシームレスにアナフィラキシーに即時対応が可能な医師の養成が求められる。 【目的】Body Interactを医学部の講義・臨床実習に導入する。自主的に事前学修と反復学修を学生に促し、質の高い短期・長期学修効果が得られるようにカリキュラムを構築する。上記の計画により、全ての医師が遭遇し得る重要な病態、アナフィラキシーショックの診断、治療管理の知識・診療技法を医学部卒前教育で効率よく定着させること、が本研究の目的である。 【計画】(2020年度)Body Interactの事前学修をより多い時間行った学生の方が学修効果は大きいかどうか明らかにする(事前学修による反転授業による学修効果)。(2021年度以後)講義・実習の後も学外でBody Interactで頻回に反復学修した学生の方が、実習終了後の知識・技能の定着が良好であることを明らかにする(長期学修効果)。より早期の学年からBody Interactを用いた学修を導入したほうがより高い学修効果が得られることを明らかにする(Early Exposureの学修効果)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年冬から全世界的に流行が拡大した新型コロナウイルス感染症の影響で、ロックダウンや緊急事態宣言が発出され(コロナ禍)、当該期間中の教育カリキュラムが大幅に変更せざるを得なくなったため、計画・立案したタイムスケジュールよりも少し遅れた実施状況となっている。2020年度に関しては従来の本学における授業計画および病院での臨床実習計画の1~2割の実施状況であった。本研究の対象となる学生への本研究の現場での説明、とくにBody Inetarctのダウンロードや操作方法の解説が十分に行えず、また、リアルワールドでの実技試験とその振り返りが行えない状況となっている。そのため、当初の計画内容を一部変更し、共同研究者の土屋静馬とともに残りの期間でいかに効率的に成果が達成できるか検討を重ねた。その結果、上記のプロセスの多くをオンライン上のe-ラーニング用学修管理システム(LMS)で実施すること、振り返り授業をオンラインミーティング(ZOOM、米国)で行うことに変更し、2020年度の研究実施、計画の遂行が達成できた。改めて、ICT・IoT利活用やアクティブラーニングが学外(自宅や図書館、移動途中など)での学修と親和性が高く、リアルワールドでの授業や実習が困難な状況において、その代替案としてBody Inetarctを用いた教育計画がコロナ禍においても実現可能なカリキュラムとして認知され、我々が想定していたよりも早期から本学の正式なカリキュラムとして承認された。幸いなことにコロナ禍におけるオンラインでの教育・自主学修の遂行に本研究テーマが大いに有効活用され、文部科学省が運用する「官民協働のオールジャパンで取り組む日本型教育の海外展開事業」(EDU Portニッポン)の紹介事例として採用された。コロナ禍でも高等教育機関での学びの手を止めないための成功例のひとつとして認知されたことは大きな成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の本研究における2020年度の計画:Body Interactの事前学修をより多い時間行った学生の方が学修効果は大きいかどうか明らかにする(事前学修による反転授業による学修効果)は研究成果が得られ、諸学会で研究発表を行い、現在論文を執筆中である。これは2021年度以降も継続し、データの集積や学年間による差異の調査、再現性の確認を行う予定である。2021年度以後の研究計画:講義・実習の後も学外でBody Interactで頻回に反復学修した学生の方が、実習終了後の知識・技能の定着が良好であることを明らかにする(長期学修効果)は、予定通り実施の予定であるが、2020年度の対象学生とコロナ禍が収束傾向にあると考えられる2021年度以降の対象学生で研究結果を一様に取り扱ってよいものかどうかについては、統計の専門家や共同研究者と協議すべき課題であると考えている。2020年度の対象学生から獲得されたデータについては「コロナ禍におけるICT・IoT利活用による反復学修およびアクティブラーニングの推進」として本研究の副次的な成果として医学教育界に成果物を示す計画を検討している。より早期の学年からBody Interactを用いた学修を導入したほうがより高い学修効果が得られることを明らかにする(Early Exposureの学修効果)については、2021年11月より本学医学部2年生で開始する新しい医学教育カリキュラム「基礎医学・臨床医学統合講義」にてシミュレーション医学教育やアクティブラーニングを積極的に採用しており、この対象学生の年次を基点にEarly Exposureの中長期的な学修効果を調査する計画を既に本学に提示し、前記のカリキュラムと併せて正式採用されている。2020年度に研究計画遂行のために利活用したLMS、オンラインミーティングシステム(ZOOM)は今後も継続使用を要する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により本学でもロックダウンが行われ、医学部学生の学校構内立ち入りが禁止されていた。そのため、当初予定・計画していた教育カリキュラムが遂行困難となり、新規で購入予定であった新しいBody Inetarctシステムおよび卓上パッド・投影機の購入計画を見直すことになった。とくに不特定多数の学生が手指で触れるパッドは感染拡大を誘起する可能性があり、メーカーによる抗菌対策を取り入れた商品の開発・製造後に購入することを検討している。都度、パッドや画面が消毒可能なデバイスの導入により学生の感染を最小限に防げると考えている。
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Remarks |
(1)サブタイトル:Body Interactを使用した病院臨床実習に替わるオンライン臨床医学教育カリキュラム
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Research Products
(6 results)