2020 Fiscal Year Research-status Report
21st Century Design of Programing Education for Kindergarten/Elementary school Transition
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20K03169
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Research Institution | Shijonawate Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
安谷 元伸 四條畷学園短期大学, その他部局等, 講師(移行) (00784349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合田 誠 四條畷学園短期大学, その他部局等, 教授(移行) (80300292)
鍛治谷 静 四條畷学園短期大学, その他部局等, 教授(移行) (20515473)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プログラミング教育 / アンプラグド教材 / 学習レディネスの形成 / 就学前カリキュラム / 幼稚園教員の認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナウィルス(COVID-19)による幼稚園への影響を鑑みて教材購入や実践の開始時期を半年遅らせる計画変更を行った。そのため、4月から6月に研究グループでミーティングを重ねてプログラミング的思考力育成を目的とした実践の根幹となる教材・機材の購入、教材の機能調査、比較と検証を進め、実践で用いる教材を選定した。教材選定後、幼稚園で行うプログラミング教育の授業モデルを構築、8月より研究協力園の教員らと協議を進めた。計画では複数園で授業モデルを実践・検証する予定であったが、非常事態宣言による幼稚園現場の混乱やCOVID-19への感染対策から研究実践を行う園を絞り実施した。 10月より実施した授業モデルは、事前アンケートで幼稚園教員のプログラミング教育に対する認識を把握したため、紙と鉛筆で学ぶアンプラグドな教材を主体として構築した。5歳児40名の3クラスを対象に9時間の実践を行い、クラス担任に事後アンケートを実施した。アンケート結果では本研究の仮説の通り、幼稚園からプログラミングの学習を行うことに懐疑的であった教員が、本研究の授業モデルを体験・見学後、肯定的に自分でも指導可能との認識を持つよう変容したことが把握できた。また、園児らについても、画像記録から順次処理、分岐処理といった思考を活動に反映している様子が伺えた。それらの結果は、日本情報科教育学会第13回全国大会(オンライン)にて「幼稚園におけるプログラミング教育の実践及びカリキュラムの開発(初年度)」として発表、報告した。 以上のように、実践時期と実践園等の変更があったものの、予定していた教材の選定、授業モデルの構築、幼稚園教員へのアンケートを実施し、授業モデルによる教員の変容を確認するに至った。計画に基づき、2021年度は教材や授業モデルの改良、修正、タブレットを用いた実践への接続の構想を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度においては、2019年度末から世界的な流行となった新型コロナウィルス(COVID-19)により国内でも2度の非常事態宣言が発令され、研究の軸である幼稚園の教育現場においても休校実施による年間カリキュラムの大幅な見直しが行われた結果、本研究も計画変更を余儀なくされた。 一時期は、感染予防の観点から園児らを前にした研究実践についても行うべきか否かを研究グループで議論したものの、その後の感染状況を鑑みて、実践を行う幼稚園を絞り込むことによって感染対策の準備を進め、予定していた研究実践に取り組んだ。全体の研究実施計画はCOVID-19感染流行の影響により、当初の予定よりも時期をずらして遂行した。また、予定していた学会の延期や中止などもあり、感染対策として旅費の一部を幼稚園側と遠距離会議が行えるよう無線Wifiやタブレット端末等の機材の購入とシステムの構築に充て、研究協力園と感染予防をふまえた協議や意見交流が行える環境を整備した。 このような研究計画の時期の変更こそあったものの、幼稚園におけるプログラミング教育の授業モデルで利用するための教材の購入、比較・検証、選定の作業は想定通り進めることができた。また、予定よりも対象の幼稚園を絞り込んだものの、幼稚園教員への事前、事後アンケートの実施、授業モデルの考案、実践の実施は計画の通り遂行することができたことから、一定の成果は得られたものと判断した。 また、研究実践を実施する対象園については次年度以降増加させていく計画ではあるが、COVID-19の流行は収束しておらず、さらには変異株による流行拡大の状況も危惧されているため、感染対策を踏まえて慎重に検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、計画の通り幼稚園現場を対象としたプログラミング教育の実践を重ね、そこで行う授業モデルの構想、検証、改善を今年度も進める。そのため、2021年度には、アンプラグド教材から継続して学べるプログラミング教材の選定、授業モデルの考案、実践の実施を行う。幼稚園の発達段階においては、言語を伴うプログラミングの学習を成立させることは難しいため、ビジュアルを主体としたブロックプログラミングやその他のプログラミングによる学習が必要となる。また、プログラミングを扱うためのメディアの選定も必須であることからも、機能、価格、強度の面から幼稚園現場で利用に足るタブレット端末を準備し、その端末をベースとして園児が学べるプログラミングの授業モデル、カリキュラムの研究を行う。 幼稚園現場で扱う端末については、GIGAスクール構想が進む義務教育現場に対して、就学前教育の現場ではICT環境、特に無線ネットワーク環境は地域、施設により大きな差が生じている。私立・公立で特徴が大きく異なる幼稚園では小学校よりもインターネット利用環境などの格差は大きい点も指摘できる。そのため、どのような幼稚園であってもネットワークが利用できる状態を構築するため、複数の無線Wifi機器を購入、準備する。環境によらず無線ネットワークが利用できる状態のタブレット端末、言語を伴わないプログラミングのアプリケーションを整備し、実践を進める方略を摸索する。 また、2021年度においては、昨年度COVID-19の影響により研究実践を行う協力園を絞り実施することになった状況を鑑みて、2020年度は感染状況に配慮しつつも研究実践を行う幼稚園を増加させる。そのための協議等は当該研究費で充実させる機器を用いて、研究園と遠距離会議や連絡を通じて協力体制を構築し、協議や情報共有を重ねた上で感染対策に十分に留意して実践及び研究を進めていく。
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