2021 Fiscal Year Research-status Report
21st Century Design of Programing Education for Kindergarten/Elementary school Transition
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20K03169
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Research Institution | Shijonawate Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
安谷 元伸 四條畷学園短期大学, その他部局等, 講師(移行) (00784349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合田 誠 四條畷学園短期大学, その他部局等, 教授(移行) (80300292)
鍛治谷 静 四條畷学園短期大学, その他部局等, 教授(移行) (20515473)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プログラミング教育 / 幼稚園教育 / タブレット / 幼小連携 / 幼稚園教員の認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年次は,1年次に実践、検証を進めたアンプラグド教材を主体としたカリキュラムに加え,園児らがタブレットを用いてプログラミングを行う活動を主体としたカリキュラムの構築に取り組んだ。これらカリキュラムの接続性検証のため、1年次より研究実践を行う幼稚園を増やし、アンプラグド教材の内容の実践回数も年間3クラス9回から7クラス21回として進めた。また、園児らがタブレット利用するに際しては、事前調査と年長園児の平均身長,体重等のデータから5歳児に適切と判断できるタブレットのサイズや機能を明確にした。調査結果から園児らの活動では8インチタブレットを用いることとし、プログラミング教育用のアプリケーションとしては3つ以上のブロックプログラミングを検討した結果、言語入力を伴わないデジタルポケット社の「ビスケット2【Viscuit2】」を用いたカリキュラムの授業モデルを考案し、9月から研究実践を行った。 コロナ禍の影響から5時間(各時間30分)のカリキュラムとして実践を余儀なくされたものの、端末を用いた園児らのプログラミング活動の実践及び、検証のための多様な場面の動画データは2園の研究実践を通して想定通り集積することができた。動画資料の分析からは、アプリケーション操作におけるソフト面の課題、具体的には,園児らがスワイプの操作を画面の端から端まで行えず操作がフリックとなることによりアプリケーション誤作動が生じて対応が必要となったことなど次年度に向けて解決すべき複数の課題が確認できた。 加えて、継続して幼小連携を見据えた幼稚園現場の教員への環境調査、意識調査も継続して行っており、使用端末の多様化が見られている幼稚園現場の教職員のプログラミング教育に対する教育的効果の期待値が現状では高いものではない実情も把握した。これらのデータも踏まえて、3年次にはカリキュラムの考案、研究、検討等を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Covid-19感染流行の影響による非常事態宣言の発令等で幼稚園現場が混乱し、そのために研究活動を絞って取り組まざるを得なかった昨年度を状況を踏まえて、今年度は年度当初に感染対策と新型コロナ禍中における研究協力園との連絡協議網の構築などを取り入れ修正した研究計画を立案した。研究実践を行う研究協力園については、教員および教材教具の徹底した消毒環境を整備して昨年度の1園から2園に増加させる交渉を進めた。結果、1年次の研究環境に比べ、実践を行う幼稚園の拡充、タブレット端末の導入とプログラミング教育用のアプリケーションによる園児らの活動を取り入れたカリキュラムを構成、授業モデル案の考案、具現化、提案、実践、検証に取り組むことができた。 しかし、Covid-19感染状況は沈静化したものではなく、幼稚園の教育現場では今年度も様々な面で影響を受けた。本研究においても実施計画の面で柔軟な対応が求められ、特にタブレット端末を用いたカリキュラムの実施時期にオミクロン株の感染拡大及びまん延防止等重点措置蔓延防止対策による幼稚園の休園の時期と重なったため、園児の活動時間数を調整したカリキュラム案を実施して研究計画を遂行した。 以上、昨年同様に新型コロナウィルス感染流行下における研究として園における実践等で影響を受けた面は否めないものの、幼稚園におけるプログラミングを伴う活動やアンプラグド教材からプラグド教材へ接続するカリキュラムの検証は進めることができた。また、タブレットを用いたプログラミング教育の授業モデルの考案と実施は計画に基づいて取り組むことができており、おおむね順調に研究計画は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は研究計画最後の総括となるため、これまでの研究成果の報告書を作成する。昨年2021年度はコロナ禍を受けて修正した研究計画に基づき、5歳園児らタブレットを用いた非言語のビジュアルプログラミングアプリケーションによる活動を主体とした授業モデルを実施、検証を進めることができた。また、2020年度より取り組んできたアンプラグド教材によるプログラミング教材を主とした活動による授業モデル案との接続にも取り組むことができた。研究3年目となる今年度においては、これらの授業モデル案の円滑な接続を試行し、幼小連携に繋がる幼稚園のプログラミング教育のカリキュラム案としてさらなるブラッシュアップを図る。 2021年度で取り組んだタブレットを用いたカリキュラム内容で明らかとなった時間的な課題については、Covid-19感染流行と蔓延防止等重点措置による影響による幼稚園現場の混乱も要因であったことから、年度初めより研究協力を得られる幼稚園と協議を重ね、プログラミング教材の実践を行う日程調整等を進め、園児らの実態に即した内容が執り行えるカリキュラム構成の具現化に取り組む。また、ネットワーク環境が整備されていない研究協力園の状況も鑑みて、更に無線wifi機器の購入を進めてネットワークを増強し、研究を遂行する環境と対応力を向上させる。
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Causes of Carryover |
2021年度はまん延防止等重点措置蔓延防止対策によって幼稚園の休園要請等が数度実施され、そのために計画していた幼稚園訪問の中止や延期、研究協力協議等の取り止めが相次いだ。また、各学会でも大会がオンライン化されて開催される事態となった。その結果、謝礼及び交通費に修正が生じることとなった。これらは翌2022年度分として請求し、その助成金についてはCOVID-19感染流行が沈静化していない現在の状況を踏まえ、研究協力幼稚園に対するネットワーク環境整備費用として充て、ウィルスの新型変異やまん延防止等重点措置蔓延防止対策等の発令に際しても影響を最小限に留めて研究遂行に支障がない環境を整えるために用いる。具体的にはネットワーク回線の増強、端末の整備、充実させ、研究協力園や訪問先幼稚園との協議においてオンライン会議等を支障なく行えるようにする。
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