2021 Fiscal Year Research-status Report
教育ビッグデータを活用して公正に個別最適化された学びを支援する知的システムの開発
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20K03174
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
森本 康彦 東京学芸大学, ICTセンター, 教授 (10387532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮寺 庸造 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10190802)
北澤 武 東京学芸大学, 教育学研究科, 准教授 (80453033)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 教育工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,(a)主体的な学び&可視化システム,(b)対話的で深い学び&可視化システム,(c)個別最適化AIナビゲーターシステム,(d)教育ビッグデータ標準化DBシステム,をサブシステムとし,教育AI技術を用いて教育データを分析・可視化することで個別最適な学習方法・環境を提供するとともに,AIエージェントが学習者の学びを支援・誘導する,統合システムを開発する。 現在までに,(a)と(d),(b)と(d),(c)と(d)をそれぞれ組み合わせて,三つのサブシステムを設計し開発を行ってきた。本開発は,それぞれのサブシステムごとに行っているが,今後も無理に統合する必要はなく,上手く連携することで目的は達成可能であると考えている。ただし,コロナ禍の影響で,小・中・高等学校の学校現場でのシステムの試運用を行うことが困難となっている。そのため,個人の児童生徒さんに協力を得たり,大学のオンライン授業や研究室での活動を対象にしたりと,今年度は様々な工夫をしながら進めてきた。来年度は,コロナ禍の状況を見ながら,実際の小・中・高等学校の現場での実践とその評価を行っていく予定である。 令和3年度に行った研究とその成果は,(1)各サブシステムの外部設計および内部設計(2)各サブシステムのコーディング・単体試験,(3)各サブシステムの試使用とその評価,(4)各サブシステムの試使用を受けての改善等の検討,があげられる。研究成果について,国際会議等で発表を行い,この分野に詳しい研究者らと直接対面で研究内容について意見交換を行いたかったが,コロナ禍の影響で国際会議がオンライン開催になったり,プログラムが変更されたりして,当初の研究計画の思惑通りにいっていないことがマイナス要因と言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究自体は、各サブシステムの支援モデルを提案し、そのモデルに基づいて動作するシステムを開発することができた。しかしながら,コロナ禍の影響は大きく,特に開発したサブシステムの小・中・高等学校での実践とその評価の実施が困難であることが問題であった。今年度は,個人的にお願いできる児童生徒に使ってもらったり,大学でのオンライン授業や研究室での実践に切り替えることで,研究としての進みを止めずにここまで来られた。しかし,次年度(最終年度)では,できれば小・中・高等学校での現場の運用を考えているため,実験方法等の工夫が必要になってくると思われる。 また、同じくコロナ禍の影響を受け、国際会議や国内学会等の現地での開催が軒並み中止となり、当初想定していた、多くの専門家との意見交換や情報収集を十分に行うことはできなかった。しかしながら、オンライン上でのやり取りに制約はされたが、その範囲の中で、翌年度につながるいくつかの有用な情報を入手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の試使用と評価から,教育AI技術を駆使した学習データを用いた学びの振り返りの支援方法の改良と,AIナビゲーターの学びの誘導と支援のモデルの改善が必要であることが分かった。よって,次年度は,当初の研究計画に加え,これらを含めて,最終年度としての研究を進めていく予定である。 しかし,統合システムとしてどのような形に収束させるかは更なる議論が必要であるため,サブシステムごとに独立して開発していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究成果の発表を行う国際会議や国内学会発表がすべてオンラインになり、旅費が発生しなかったことが主な理由である。 次年度は、対面で学会が開催されはじめているため、これら研究費を使用して研究成果の発表等を行っていく予定である。
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Research Products
(23 results)